OTSUMA TAMA Junior and Senior High School

学校案内

【校長室より】新年あけましておめでとうございます

更新日時:2021年1月1日

【校長室より】新年あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。

本年が皆様にとりまして素晴らしい年になりますようお祈り申し上げます。




昨年を振り替えって

新型コロナウィルスの感染が世界中に広がって間もなく一年になろうとしています。日本では一時は多少沈静化したようにみえた感染状況も、昨年暮れにはこれまでの最多となる感染者数を記録し、現在に至っています。マスク着用に手指消毒、そして換気に気をつけ、密にならないように生活する習慣は誰もが守っていることですが、未だ終息の気配は見えません。

クラス・廊下・昇降口に設置された消毒液

4~6月:登校の様子

多摩中高でも、新学期開始からオンラインでの授業を余儀なくされました。生徒のみなさんは友達に会うこともかなわず、一人でディスプレイに向かって勉強しなくてはならず、心細い思いをしたことでしょう。(休校期間中の本校の授業の様子)

6月からは各学年分散登校が始まりましたが、マスクをしたままクラスの半分しか一緒に勉強できない不自然さに、お互いの挨拶すらためらいがちでした。2学期の9月には全校生徒の登校と平常通りの授業が始まり、部活も再開したため、ようやくいつもの元気な学校生活が始まりました。

6月:分散登校中

9月:全校生徒登校



10~11月:行事

6月から10月に延期された体育祭も、時間短縮ではありましたが、晴天のもと人工芝グラウンドで行われ、自分の組を応援する元気な声が聞かれました。
また本来9月に行われるはずだった文化祭11月に延期され、オンライン配信ではありましたが、生徒全員が何らかの形で参加できる楽しい催しになりました。最初はクラスで動画を作成することに戸惑いはあったようですが、新学期からのタブレット授業で慣れていた生徒のみなさんは、中1から高2まで様々な手法を駆使して楽しい動画を作って発信することができました。

10月:体育祭

11月:オンライン文化祭HP



ICTを活用した授業

ロイロノートやグーグルクラスルーム、そしてZoomの利用はコミュニケーションの幅を広げ、オーストラリアの姉妹校である Brigidine College との交流会理科・社会の教科を超えた SDGs 授業にまで発展することができました。タブレットを使って情報を集め、その情報から問いを見つけ出して自分の意見を発表したり、パワーポイントを作成してプレゼンをするなど、課題に対する主体的な取り組みが自然と身につき、みなさんの自信と成長につながったと思います。

Brigidine College との交流会

理科・社会の教科を超えた SDGs 授業


3つの教育理念と3つの教育プログラム

さて大妻多摩中高では3つの教育理念と3つの教育カリキュラムに基づいて教育プログラムが作られています。日頃から皆さんにはお話ししていることですが、まず3つの教育理念について話しましょう。

 

 

教育理念は①自立自存、②寛容を共生、③地球感覚です。

「自立自存」とは自らの足で立って、自らの力で生きるという大妻コタカの言葉です。これは自分で問題を発見し、その問題を解決できる能力や論理的思考力を身につけることです。これには幅広い分野に対して好奇心を持ち、一生勉強し続ける粘り強さがなくてはなりません。中高6年間には失敗や挫折はつきものですが、それを乗り越える強い心が大切です。自分の心に忠実に行動し、挫折を乗り越えることによって自己肯定感が得られます。

 

寛容と共生とはコロナ禍に見舞われた地球上の誰もが直面する問題です。自分だけでなく相手を受け入れる広い心をもつことが大切です。集団における自分の役割を理解して協働して動くこと、さらに相手に対して思いやりの気持ちを持つことは、今年のような緊急時を乗り切るためにはとても重要なことです。

 

地球感覚とは、自分と他者を超えて地球規模での相互の結びつきをいいます。持続可能な社会を作るためにはSDGs(持続可能な到達目標)に掲げられた17の目標に対する理解を深めなくてはなりません。将来国際社会で活躍するみなさんにとって、世界中の人々と手を携えて「平和な未来」を築くことが大切です。

 

これらの3つの教育理念と緊密な関連を持つ3つの教育プログラムは、大妻多摩中高が特に力を入れているものです。①理数教育プログラム(Science Education)、②国際教育プログラム(Global Education)、教養教育プログラム(Liberal Arts Education)の3つがあり、総称してTSUMATAMA SGLといいます。

 

 

理数教育プログラムでは論理的思考力と科学的探究心を養うことを目的とします。授業あるいは校外プログラムを通して科学に触れながら、深めた知識と育んだ力を基に応用的な学力を身につけます。多様な自然に敏感に反応し(寛容と共生)、言語や数式によって理解し(自立自存)、持続可能な地球を創る(地球感覚)ことを目指します。教科としての理科と数学を好きになることから始まり、社会との関わりとしての数学総合、数学と理科の統合授業として「三角比」を用いて校舎の高さを測ったり、社会と情報を結びつけたプログラミングを作成します。

 

 

国際教育プログラムでは価値観の異なる相手と協調しながら、英語を使って主体的に行動し(自立自存)、世界的な視野と国際社会で活躍する基礎を作ります(地球感覚)。自国の歴史・文化・政治・経済などについて理解すると同時に、他国の歴史と文化を尊重出来る国際人の育成を図ります。国内外の時事問題に触れ、多角的な視点と自らの考えを持ち、協働しながら問題解決をはかる力を養成します(寛容と共生)。大妻多摩では生徒の成長に合わせて中1のエンパワメントプログラムに始まり、中2のグローバル・キャリア・フィールドワーク、高1でのターム留学、高2,高3における海外大学も視野に入れた進路選択にもつながります。

 

 

③教育プログラムのベースとなる教養教育プログラムは、人間とは何か(寛容と共生)、自然とは何か(地球感覚)を探究し、自由人としての自己を作り上げる(自立自存)過程において論理的思考方法(ロジカルシンキング)を磨きます。学問を知ると同時に人間関係スキルやマナーを身につけ、社会性・コミュニケーション能力を獲得します。修学旅行のようなフィールドワークや実体験から日本を学び、探究論文執筆を基に将来の進路選択を明確にします。

 

 

グローバル化とはヒトとモノとカネとが国境を越えて相互に関連し合うことを意味しますが、グローバル社会では、海外諸国の人々と交流し、物資が国境を越えて移動することによって経済が回っていく仕組みをさします。新型コロナウィルスの世界的流行はグローバル化の負の部分であり、ウィルスの流行は世界中のヒトとモノとカネの交流を阻止しました。世界各国はロックダウンによって人々の出入国を禁止し、そのため商取引はもちろん海外旅行も出来なくなりました。経済は停滞し、世界中で失業者が出ています。このような状況では地球規模での貧困と飢餓、教育問題が浮上し、加えて地球温暖化や気候変動などの環境問題がさらに私たちの生活を圧迫します。私たちは困難な状況でも相互に助け合い、未来を切り拓く強い意志を持たなくてはなりません。

 

世界中の科学者が力を合わせることによって特効薬や副作用の少ないワクチンが発見され、生徒や保護者のみなさまが平穏な当たり前の日常を取り戻し、世界中の人々に「平和なとき」が訪れるよう祈るばかりです。

 

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。