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【校長室より】理科と社会科、2つの視点からSDGsを学ぼう

更新日時:2020年11月30日

【校長室より】理科と社会科、2つの視点からSDGsを学ぼう

理科と社会科、2つの視点からSDGsを学ぼう。

中3「公民」で、SDGsの17のゴール(目標)から一つのテーマを選び、理科的視点と社会科的視点という2つの視点から問題を掘り下げるという理科・社会コラボ授業が行われました。

 

理科とは自然界のルールを知るための教科であり、自然の法則や、それらを応用してできた科学技術の視点から研究する分野であり、社会科とは人間や社会の仕組みを知るための教科で、人間の活動(歴史、地理、法律、政治、哲学、経済など)から研究する分野です。(生徒に配られた資料より)

 

それぞれのグループは選んだテーマについて理科と社会の授業と使って2時間ずつ調べたり話し合ったあと、5時間目にはパワポを作って理科班、社会班に分れて発表。そのあとに各テーマにおける問題点を挙げ、それに対する解決策を考え、最終的にはグループで取り上げたテーマにおける「自分の行動宣言」を提出しました。

 

私がお邪魔した4組では①貧困をなくそう ④ 質の高い教育をみんなに ⑤ ジェンダー平等を実現しよう ⑥ 安全な水とトイレを世界中に ⑬ 気候変動に具体的な対策を というゴールからテーマを見付け、それを掘り下げて、自分たちの行動宣言を発表していました。どのグループも理科的視点と社会科的視点をうまく組み合せて、地球を持続可能なものにするために自分なりの解決策にまで持って行くことが出来、このコラボ授業は大成功でした。

 

 

2015年の9月に国連で採択されたSDGsは、貧困の根絶と持続可能な社会の両立、格差是正、開発途上国だけでなくすべての国々に適応される目標であり、2030年をゴール(到達年)としています。SDGs(持続可能な到達目標)に示された17の目標と169のターゲットは人間、豊かさ、地球、平和、パートナーシップの5つの要素の関係があり、地球上の「誰一人取り残さない(No one will be left behind)」という考えに基づいています。現在世界中は新型コロナウィルス感染拡大という脅威にさらされていますが、このようなときだからこそ、「持続可能な地球」と「持続可能な社会」について考えることが大切になってくると思います。

 

大妻多摩中高では2018年からは高校一年生の「探究基礎」という科目でSDGsを調べて論文にまとめて発表する授業が始まりましたが、私も今までに学校朝礼や「校長室より」などで2016年からSDGsのトピックを取り上げてきました。

 

女子に対する教育の必要性を訴えて2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさん、地球温暖化を阻止しようと一人でストライキを始めたグレタ・トゥンベリさんはSDGsに関連して10代で行動を起こした女の子です。オーストラリアの森林火災やベネチアの高潮被害、日本を襲った巨大台風などは気候変動に関係する事柄です。

 

東京医大の不正入試に端を発した女子受験者に対する不当差別、アメリカで起きた#Me Too運動はジェンダーの問題と関係があります。またフードバンクや子ども食堂の設置などは貧困問題と関係があると同時に余った食料の有効活用などエコの精神とも結びついています。そのほか風呂敷を活用した大妻コタカはエコバックの先駆的利用者といえるでしょう! 

 

SDGsの17の目標と169のターゲットは現代社会で生活する限り、すべての項目がなんらかの関連を持ちつつ私たちの日常を支えていることがわかります。取り立ててSDGsと言わなくても、地球を持続可能なものに出来るかどうかは、人間が地球上に住み続ける限り取り組まなくてはならない必須課題なのです。中3のみなさんは今回の理科と社会のコラボ授業を通じてSDGsについての関心が深められたと思います。来年高1になったときには「自分事」としてこれらの問題についてさらに探究して下さることを期待しています。