【中3】社会探究×理科Ⅱ×たまエンパワー株式会社【SDGs 7/11/12/13/15】
更新日時:2022年2月21日
中学3年生(35期生)
【SDGs 7/11/12/13/15】社会探究×理科Ⅱ×たまエンパワー株式会社 「多摩市の未来を考える」
現在、中学3年生では社会探究と理科Ⅱの合同授業として「多摩市の未来を考える」グループ活動を進めています。テーマは「多摩市の特性を活かした、人と自然に優しいまちづくり ~20年後の多摩市の姿~」です。本取り組みは、SDGsに示される17の目標のうち、「7エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」「11住み続けられるまちづくりを」「12つくる責任、つかう責任」「13気候変動に具体的な対策を」「15陸の豊かさも守ろう」の実現に寄与します。
中学3年生は、3学期の社会探究で本校が位置する多摩市について学び、多摩市が抱える問題について考える『多摩学』を扱っています。また理科Ⅱの授業では例年、3学期は環境問題を扱っています。今年度の理科Ⅱでは2学期に、社会との合同授業でSDGsをテーマに「複眼的に物事を考えよう!~ どのような未来の社会をつくりたいか。そのために自分ができること ~」、さらに日本経済新聞記事を活用した授業(過去の活動記事)などを行ってきました。それらの授業を通して中学3年生が多種多様な素晴らしいアイデアをもっていること、素晴らしいアイデアを生み出す力を秘めていることを実感してきました。そこで、3学期には、自分のアイデアや思いの先にある世界(自分のアイデアや思いをもとに社会に貢献すること)を学ぶ授業ができればと考えていました。
話し合いの様子
未来の地球をより良い状態に保つため、現在、世界中で脱炭素に向けての研究・開発が目まぐるしく進んでいます。多摩市には、多摩市を基盤に、食とエネルギー(太陽光発電)を通じて自然と調和した未来を創ることを目指し様々な活動に取り組む「たまエンパワー株式会社(会社リンク)」があります。今回の合同授業は、その代表である山川勇一郎氏にご参画頂き、ヒントを頂きながら組み立ててきました。
社会探究、理科Ⅱとも授業のスタート地点は、2年前に多摩市・多摩市議会により宣言された「多摩市気候非常事態宣言」です。宣言の内容をもとに社会探究では「多摩市の位置づけ、歴史、特性」について、理科Ⅱでは「地球温暖化が起きている原因・対策、石油の枯渇問題・石油の代替エネルギー、世界・日本の取り組み」について授業を行い、生徒が考える材料を提供した上で、まずは自分たちで選んだトピックを中心に「どのような未来の多摩市をつくりたいか」を考えるグループワークを行いました。
山川代表へ質問する生徒たち
そして先日(2/7)、山川代表に来校して頂き、出張講義をして頂きました。「多摩市の未来は、社会の未来であると同時に、君たちの未来なんです。」、そして「ほしい未来は自分たちでつくる。つくれる。」という冒頭のメッセージから講義は始まりました。そして、「山川代表の今につながる出会いや気づき、経験」、「人が生きていく上で必要なものは何か」、「今、チャレンジしていること」、「省エネや自転車導入の効果」、最後に「ほしい未来を自分たちでつくるために、どのようなことが大切か」を話して頂き、生徒が「多摩市の未来」を考える上での技術的なヒントだけでなく、今後、生徒たちが未来の自分、未来の社会を切り拓いていくための指針や一歩踏み出す勇気を頂いたように思いました。話し合いや質疑応答の時間も25分ほど取りましたが終わらず、授業後も多くの生徒が講義室に残って昼休みの終わりまで途切れることなく山川代表に質問をしていました。
下記に、山川代表の講義を受けての生徒の感想をご紹介します。
今後は、出張講義の内容も参考にしながら、「多摩市の未来」について更にグループワークを通して皆でアイデアを出し合いながら考え、発表という流れになります。
講義後も質問が殺到
山川代表による出張講義に対する生徒感想(一部抜粋)
・山川さんの「ほしい未来は自分たちでつくる。つくれる。」というお言葉にとても印象を受けました。誰かに求めるのではなく、自分から積極的に行動しようとする姿勢が大切という当たり前だけど、大切なことに改めて気付かされました。私自身やってみたいことはあまり思い付かないのですが、自転車にとても興味を持ちました。自転車はエネルギーを発電する事ができるので、そのことを利用したサービスを提供してみたいです。
自分の可能性が広がったような気がしました。
・山川さんの話を聞いて、山川さんが多摩市を魅力的で、環境に配慮した場所にするために今、様々なことに挑戦して、努力をしていることが伝わりました。人間的な面で印象に残ったことは、「ほしい未来は自分でつくる。つくれる」と、「人脈を広げていくためには自分を磨くこと、自分を磨く努力をする」ということです。努力は自分を成長させるだけでなく、人との関わりを広げてくれるということを今回の授業で、気づかされました。学習の面では、太陽光発電をより便利に使えるような工夫をいくつか紹介していただけて、とても参考になりました。自分の家にもソーラーパネルを置いて、いろんなことを試してみたいです。また、エネルギーの話を聞いて、太陽光発電だけでなく、自転車やブランコなどでも発電はできるのではないのかなと考えました。
・ソーラーシェアリングは今回初めて知りました。食糧問題とエネルギー問題を同時に解決することができるので一石二鳥で良いなと思いました。太陽光発電や水力発電などの再生可能エネルギーを使う発電の発電量を増やすことよりもそもそも電気を使う量を減らして全体の発電量を少なくすることが大切だと分かりました。
自転車の案はすごく良いなと思いました。私を含め、現代の人は移動時に電車や車を使い、休みの日は家でスマホをみてダラダラしていてあまり健康に良くない生活をおくっているけれど自転車を取り入れたらそれを解決できると思うので多摩市に自転車専用の道を作るのが良いのではないかと思いました。
山川さんが教えてくださった 「やってみる、学び方を学ぶ、出会いを大切にする」を意識して、今後生活していきたいなと思いました。
・私が今回山川代表のお話を聞いて考えさせられた事は、山川代表が「起業して何が一番大変か?」という質問に対して、「大変な事はたくさんあるが自分で選んだ事だから大変でも自分の責任をもって頑張れる」とおっしゃっていた事が印象に残りました。このことから、自分が将来働くときに自分で選んだ事だから責任をもって頑張ろうと思える職業を選ぼうと思いました。
・起業する時に、どのくらいの資金が必要かを終わった後に聞いたけど、起業にはそんなにお金がかからないことが知れたけど、設立した後の維持がもっと大変だと聞いて、いいことを教えてもらったなと思った。
・自分も地元が好きなので地元のためにできることがないかと考えるきっかけとなった。
・山川さんは疑問に思ったことを行動に移し疑問のままで終わっていなかったので、私も疑問に思ったことはそのままにせず解決する習慣を付けたいと思いました。
・自分はエネルギー問題で発電方法など、エネルギーをどうやって生産するかしか考えていなかったが、そもそも発電することも大事だが省エネなど日常でエネルギーの使用量を少なくしようとしていくことも大切だと再度気付くことができた。
・1度就職しても自分の別にやりたい事があれば、また新たな場所に行って出会いを探したり、夢を実現したりできることに感動しました。また、持続可能な開発を考慮して事業を行うことが、自分にも社会にも大切だとわかりました。私たちと環境は常に関わるので、どのような観点かは決まっていませんが、私も環境問題に役立つ仕事をしたいと思いました。
・山川さんが最初に「自分で未来を作れる、自分が未来を作った方が簡単」とおっしゃっていて、「わーっ」と、とても心に響く言葉でした。他人はコントロールできない、ともおっしゃってられていて、ああ確かに自分が変わった方が簡単なのかなと、自分が普段めんどくさいと思うことも自分が頑張れば可能になることかもしれないし、もしかしたら目の前のことを自分が難しいと考えているだけで、たとえ難しかったとしても自分が変えられると思えれば未来は変わっていくのかなと感じさせられた。
・山川代表は発電について何も知識がなくても自分がやろうと思ったことは挑戦してみる、という考えがあったから、会社を起業することができたのだと知り、少しでもやってみたいと思うことがあれば挑戦してみることが大切なんだな、ということに気づかされました。
私も多摩市に住んでいるので、住んでいなければ持てない視点から多摩市で何ができるのか、という今回の授業のテーマを考えてみたいです。そしてそれがどのようにすれば実現できるのかということもこの機会に考えてみたいと思いました。
・生きていくのに必要なものは限られていてそれが無くなったら人間は無力になってしまうという言葉がとても印象に残りました。特にソーラーシェアリングについては初めて知りましたが、食糧問題も環境問題も同時に解決することに繋がり、作ったブルーベリーをアレンジして楽しみながら食べることもできるし、一般家庭80軒分もの電力を作ることができたと聞いて、やはり山川さんもおっしゃっていたように小さなことからでもいいから、とにかくやってみることが大切なんだなと感じました。また私たちと同じ年代くらいの高校生が省エネのためにクラウドファンディングを行って断熱材を用いた学校にしたという話に興味をもちました。私たちの力では何もできないと考えていたけれどやってみようという気持ちがあれば私たちでもできるのだなと思いました。山川さんが学生のときは環境系の仕事がなかったのにも関わらず海外に行って様々なことを経験したり大学院に入ったりして地元を中心に自分たちも楽しみながら環境問題の解決のために取り組んでいて凄いと思いました。山川さんがおっしゃっていたように出会いを大切にしながら電気を使わない時は消すなど小さなことから意識して実践して、少しでも環境問題解決のために貢献出来たらいいなと思いました。
・私は起業について興味を持っていたので、それについて聞くことができてよかったです。コンセントの奥はどうなっているのか、というのが印象に残っています。確かに、今まで当たり前のように使っていましたが、理科で少し構造を学んだくらいで、全然知らないな、と考えさせられました。
・なるべく電気を節電するために太陽光発電を取り入れることが大事だと思うのですが今の日本の現状からしてはあまりついてない所が多いと思います。個人でパネルをつけると金銭的に厳しいと言う人もいると思うので私は自治体や国が少し保証するといったものをつけることによって電気を節電できるのではないかと思いました。
・私は質疑応答の時に、ゴミ発電について「ゴミ発電はあるけれど、ゴミを出さない努力をした方が良い」と言っていたことが特に印象的でした。今までは地球の問題を解決するにはゴミを出さないだけではどうせ足りないだろうという考えから、意識しない時もあったけれど、これからはゴミを出さない努力をしようと思えたきっかけにもなれたのでよかったです。
・ブルーベリー農園に行ってみたいなと思った。
・都市で発電するのは難しいから、地方で発電された電気を都市で使うというのが当たり前で変えられないことだと思っていたが、都市で再エネで発電ができることがわかって驚いた。山川さんに聞いたところ、私が想像していたより太陽光パネルのコストが低いとわかり、太陽光発電を普及させるハードルが日々低くなっていることがわかった。
また、山川さんがやってみることとして、「学び方を学ぶ」というのがあり、学び方は日々進化している、とおっしゃっていて、私は学ぶことにしか焦点を当ててなかったが、学び方にも焦点を当ててみようと思った。
・太陽光パネルは大きな土地に一面において発電するイメージがあったけれど、形や大きさを変えておける場所に置くことによって発電をすることが可能だということがわかりました。