OTSUMA TAMA Junior and Senior High School

学校生活

【高1】2050年 多摩市の「CO2 排出量を実質ゼロ&多摩市活性化」を叶えるためにできること

更新日時:2022年12月14日

【高1】2050年 多摩市の「CO2 排出量を実質ゼロ&多摩市活性化」を叶えるためにできること

授業にご参加頂いた外部の方の紹介

高校1年生(35期生)

多摩市のリアルなデータを題材とした課題解決型学習 TAMA ECOSYSTEM
 ~ 2050 年 多摩市の CO2 排出量を実質ゼロ&多摩市活性化 を叶えるためにできること~ 


日本でも夏の集中豪雨や、真夏日・猛暑日が増加するなど、世界各地で気候変動が深刻化する中、「2050年カーボンニュートル」を目指し、世界各国で様々な取り組みが行われています。本校が位置する多摩市も「多摩市気候非常事態宣言」の中で、多摩市の2050年カーボンニュートラルを目指すと表明しています。

昨年度は、中学3年生の社会探究と理科Ⅱの合同授業で、エネルギー問題を中心に「多摩市の未来のまちづくり」を考える授業を行いました。(過去の記事その①その②) 独創性溢れる素晴らしいアイデアが複数出てきたため、ただアイデアを考えさせるだけでなく、その先に繋げたいという思いから多摩市環境政策課に連絡をしたところ、寛大に対応して頂き、多摩市環境政策課の方々に生徒達のアイデアをプレゼンさせて頂く機会を頂きました。

更に、今回のワークショップ授業のご提案を頂いたため、多摩市専門家会議の委員である環境エネルギー政策研究所の山川 紀明氏にもご参画頂き、打合せを重ねながら授業を組み立ててきました。高校1年生を対象に地理総合の時間とワークショップ授業の計9.5時間を使って行った、「多摩市のリアルなデータを題材とした課題解決型学習」です。

11/12(土)のワークショップ当日は陰山峰子副市長を始め、環境政策課の方々やネットゼロリンク合同会社の金子貴代氏、NTTファシリティーズ社員の方や環境エネルギー政策研究所でインターンをしている大学生など計9名の専門家の方々に授業にご参加頂きました。授業の第一の目的は、脱炭素に向けて尽力し、社会の第一線で活躍されている方々の話を伺うとともに、質問・意見交換を行い、自分達のアイデアを深めることです。



山下氏 紹介(zoom)

インターン生 紹介(zoom)



授業の冒頭は山下氏による講義でしたが、研究のために渡独されていたため、ドイツからのオンライン講義となりました(時差のため、ドイツ時間午前2時半頃からの授業でした!)。脱炭素に向けての施策や事業アイデアの実践例、アイデアを考える上で大切なこと、更に自然共生型太陽光発電などドイツで行われている最新の取り組みや日本との違いについて話しをして頂きました。「山下先生の講義のポイント」とメモを取る生徒もおり、講義を聞く生徒達の真剣な眼差しが印象的でした。その後は自由に質問・意見交換をする時間です。ご参加頂いた方々から生徒へのお声掛けをして頂いたこともあり、活発な質疑応答や意見交換が交わされました。

生徒たちの感想には「専門家の方々から様々なアドバイスや新たな視点を頂き、自分達のアイデアを拡げ、深めることができた」という趣旨の内容が多く、とても充実した時間になったことが伺えました。授業の後半には専門家の方々から面白いアイデアを打ち出しているグループを選んで頂き、複数のグループが発表を行いました。生徒達にとってはクラスを越えた他のグループの発表内容も刺激となったようでした。授業の様子は、後日、多摩テレビにて放映されました。



多摩市副市長ご挨拶

山下先生講義




ワークショップ授業に参加した生徒の感想(一部)

・自分たちの班では、圧電を使って人が歩くことにより発電できるシステムを導入しようと考えましたが、圧電は費用がとてもかかるということが、一番の問題となっていました。しかし、今回、詳しい方に質問し、圧電が一般的に普及して買う人が増えれば、安くなっていくということを知って、それを上手く活かして自分たちの考えを現実できそうな気がしてきました。また、授業の最初の、山下さんの話で、『すべてのエネルギー発電方法にはメリット、デメリットが両方必ずある』ということを聞いて、今まで、自分はメリットしかない発電方法を考えていたことに気づかされました。自分の班で考えている圧電は、コストがかかるという問題の他に、地震などの災害による破損が懸念されるといデメリットもありました。このデメリットを最小限にとどめるにはどうすればいいのか、今回の気づきを基に、もう一度班のみんなで話し合おうと思います。

・多摩市全体として行っていることや日本以外のドイツの取り組みを実際に現地で活動している人から直接説明していただき、詳しく知れて今までネット上で調べた情報しか知らなかったのでとても参考になったし、こんなアイディアもあるのだと刺激を受けた。また、こういう取り組みを市を上げて行っていくには地域の人にも何かしらのメリットがないとみんなに参加してもらえないと聞いて、自分たちが今考えている政策にももっと多摩市民の人達にメリットがあるような内容にしないといけないなと改めて考えさせられました。またインパクトを大きく拡大していくということや環境問題に関連していなくても自分の好きな分野からなにかヒントを得られるかもしれないという話がとても印象に残りました。最後にみんなのアイディアを聞いてどれもユーモアがあって面白く参考になりました。

・ぼんやりとやりたいことがあったのですが、副市長の方にそれを話したら色々な事例を教えてくださってやりたいことを明確にする事ができて良かったです。

・いろいろな方にアドバイスをいただけて、考えが深まったので良かったです。
今まで授業でやっていた時よりも現実的に考えることができて、「どのようにしたら自分たちの考えが実現できるのか」ということを班の人たちでたくさん意見を言い合うことができたのですごく楽しく活動できました。

・ドイツでの環境問題の取り組み(自転車通路を大きくする、植物を優先にする、など)がたくさん知れて、自分たちの意見をさらに広げることができ、いい機会になりました。

・最後の数班発表している時に、私たちの班と同じ事を調べている班がいて、その視点があったかと新しい学びをすることが出来ました。自分達が考えた政策が、二酸化炭素の排出をどのくらい阻止することができるのかこれから調べていきたいと思います。

・環境専門の方とお話する機会というのはあまりなく、私達の班に直接アドバイスを頂けて嬉しかったです。山下さんや陰山さんの、大胆な発想というヒントが印象に残ったので、意識していきたいです。

・グループ内での疑問を相談できて良かったです。ほかの考え方も教えて貰えたのでそれを参考にして発表資料を作りたいと思いました。



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 今回の授業で生徒達が創り出した施策・事業アイデアは、多摩市の専門家会議に若者の意見として伝えられました。

多摩市を変えることは、東京、日本、そして世界を変えることに繋がります。
「欲しい未来は自分たちでつくる。つくれる」。
今後も解決したい問題に対して自分で考え、自分からアクションを起こす姿勢を大切にしていって欲しいと思います。