OTSUMA TAMA Junior and Senior High School

学校生活

【中3】技家×理科Ⅱ×社会探究「エダマメたくさんならせよう選手権&オリゼーパワーで味噌をつくろう」②

更新日時:2022年12月1日

【中3】技家×理科Ⅱ×社会探究「エダマメたくさんならせよう選手権&オリゼーパワーで味噌をつくろう」②

枝豆収穫

中学3年生(36期生)

技家×理科Ⅱ×社会探究「エダマメたくさんならせよう選手権&オリゼーパワーで味噌をつくろう」②

 1学期に始めた教科横断授業の2学期のご報告です。(【中3】技家×理科Ⅱ×社会探究「大豆パワー ~身土不二~ × エダマメたくさんならせよう選手権 × 農地」)



●エダマメたくさんならせよう選手権
1学期に自分達で仮説をたてて(○○して育てたら、たくさん実がつくのではないか)、エダマメを育てました。2学期始めの理科Ⅱの授業で学年全グループの仮説と規格ごとの収穫数の結果データが生徒達に渡され、それらのデータをもとに考察するという課題を課されました。
提出されたレポートをみると、多くのレポートで仮説の検証がしっかりと行われていたことが印象的でした。きれいな結果が出た訳ではなく、まとめるのが難しい内容だったと思いましたが、それぞれが表などにまとめたデータを基に傾向を見いだし、よく考えて、自分なりの意見・考察を述べていたことはとても評価できることだと思いました。また、例えば「『雨(与える水の量)が収穫数に与える影響を知る』ために、与える水の量以外の条件を全て同じにして『毎日水を与える』『1週間に1回』『3日に1回』『まったく与えない』と条件を変えて育てたい」など、今回の結果から疑問に思ったことを更に検証する方法を提案したり、疑問に思ったことについて更に調べて内容を深めた考察も少なくありませんでした。
仮説検証という行為は理科の実験のみならず、社会に出ても文理問わず必要とされる重要なスキルです。今後も授業の中での生徒による仮説検証を繰り返し、生徒がたてる仮説の精度を高めていければと思っています。



●オリゼーパワーで味噌をつくろう!
 「エダマメたくさんならせよう選手権」が終わると、技術家庭科の授業にバトンタッチです。理科Ⅱの授業で菌類の働きや国菌であるニホンコウジカビについて学んだ上で、技家の授業では、大豆を使った味噌づくりの授業を行いました。コロナ禍での、久しぶりの調理実習です!



味噌仕込み


<理科Ⅱ>
 かつて人気のあった漫画『もやしもん』に登場するオリゼー(ニホンコウジカビ、学名:アスペルギルス・オリゼー)を中心に、微生物の歴史や働き、種類、そして和食で使われる調味料の造り方について講義をしました。オリゼーがつくる様々な酵素の名前が登場し、中学2年生で習った消化の分野の復習もしつつ、中学3年生で学ぶ進化や菌類の働きに繋がる内容を学びました。講義後は二手に分かれ、「カビ繋がり」ということで、日本の伝統的な食材であるかつお節を順番に削り、削っていない生徒達は微生物に関わる事柄について調べるという小レポートが課されました。かつお節削りは50年ほど前までの日本ではよく見られた風景ですが、現代では削り節の利用が多いため、多くの生徒達にとっては初めての体験となりました。また、小レポートの内容は、「微生物学が学べる大学」や「より美味しい味噌をつくる方法」、「抗生物質について」など多岐に渡っていました。
2回目の「味噌づくり」についての授業では、乾燥麹を材料に、顕微鏡を使ってオリゼーの観察を行いました。少し見つけづらかったと思いますが、オリゼーの胞子や菌糸をしっかりと確認でき、肉眼では見えないオリゼーの姿を自分の目に焼き付けることができたことと思います。 



オリゼー生徒スケッチ


<技術家庭科>
 技術家庭科では、1学期にえだまめや大豆の流通について調べてみました。多摩市では市場に出荷するよりは直売所を利用しての販売が多いことなどがわかりました。2学期には、理科Ⅱの授業をうけて、米麹を使っての味噌造りを行いました。大豆は事前に、一晩水に戻し、6時間煮ました。そうすることで大豆は指で潰せるくらい柔らかい状態になります。この大豆を使って実習を行いました。
 柔らかいとはいえ、たくさんの大豆をペースト状になるまで潰すのは大変です。麹も塊があると菌が有効に働けないので、一粒ずつバラバラになるように、また、塩がまんべんなく混ざるように処理するのには時間がかかりました。大豆と麹の準備が整ったところで、二つを混ぜ合わせます。大豆の煮汁で硬さを調整して味噌玉をつくった後は、空気が入らないように保存用の容器に入れてねかせます。熟成するまで半年以上かかりますが、卒業式の頃には生徒たちに配りたいと思っています。中学の思い出とともに、手作りの味噌を味わってもらえたらと思います。


将来は、多くの生徒達が世界中に活躍の場を拡げていくことが予想されます。そのときに日本人であるというアイデンティティーを大切に、日本の伝統文化が伝えられる存在であって欲しいと思います。今後も生徒の皆さんには和食などの日本の伝統文化を積極的に受け継いでいって欲しいと思います。



味噌仕込み