#09 シリアについて【トルコ滞在記】
更新日時:2022年9月26日
西アジア・中東周辺の地図(フリー素材)
#09 シリアについて (2014年5月24日)
「トルコセミナー」への参加を検討するにあたって、「シリア情勢が危なそうだから…」と考えた人もいると思います。
こちらの地図を見てください → トルコの位置(Yahoo!地図リンク)
シリアはトルコの隣国ですが、トルコのシリアとの国境のあたりには北東の北アナトリア山脈から南西に向かってトロス山脈まで3000~5000m級の山々が延び、大きな壁の役割を果たしています。
シリアの内戦はいまだ解決を見ていませんが、シリアとトルコが戦争状態になることは現時点では可能性は低いことでしょう。こんな高い山脈を越えてシリアが攻めてくるなんていうのもかなり絵空事の気がします。ミサイルが飛んでくるなんてこともないでしょう。
よくシリア内戦のニュースで名前が出てくるアレッポというシリアの町からカッパドキアのある場所まででも、東京~大阪くらい離れています。イスタンブールはさらに離れていますね。
ちなみに隣国と言えばいま国際社会で何かと話題に上るウクライナも黒海を隔ててトルコの隣だと言えますが、ウクライナ情勢が危険だからと言ってトルコがどうこうなるとはほとんど考えられません。
隣の国が危険な情勢だから、その国も危ないのではないかと考えてしまうのはよく分かります。実際にトルコ人でも日本の隣国が中国や北朝鮮であることをあげ(特に尖閣諸島の問題をとりあげ)、日本と中国は今にも戦争をするのではないかと感じている人はいます。
以前よりその可能性が高まっているとはいえ、今日明日にでも日本と中国が戦争をするとは大部分の日本人は考えていないはずです。
隣国が危険だから危険とか、一部分を見て全体を判断するとか、自分の国から遠い異国のこととなるととかく日本人に限らずそう考えてしまう人は世界には多いようです。
海外へ出るということはある程度のリスクがあるのは当然で、それを否定するつもりは全くありませんが、逆にイメージだけで過度に心配するのもどうかと思うのです。
難しいことかもしれませんが、正確で客観的な現地の情報や判断が必要なのではないでしょうか。
ただ、シリアの人々が大変な思いをしているのは事実で、それはイスタンブールにいてもよく目にします。(次へ続く)