OTSUMA TAMA Junior and Senior High School

学校生活

教員つれづれ草 252段

更新日時:2019年12月24日

教員つれづれ草 252段

 先日、卒業生と長く話をする機会があった。


 この生徒は、在校時にいろいろと悩み事を抱えていて、ことあるごとに話しに来る生徒であった。日常の他愛もないことから、家族や恋愛なども含めて、まさに「正解のない」テーマを投げてくる生徒だった。時には「心理学」に及ぶこともあり、その意味では教員を能動的にさせる側面を持っていたといえる。


 この生徒は在校時から「教員を目指す!」と言っていた。正直、本気ではないだろうと思っていた(ごめんなさい)が、今回、話を聞くと、かなり本気度が高かったのである。本格的に教育分野を学び、「貧困や格差」と教育への関心も強く持っている様子だった。


  この生徒は、図抜けて成績が優秀だったわけではない。「これを覚えることに意味あるの?」などの愚痴? を私にぶつけてきたこともあった。でもいろいろな「問い」を私に投げてきて、それに答えることが、受験知識を伝授するより、多くの学びを共有できたような気がする。まさに「共育」だったのかもと今更ながら振り返る。この生徒が教員にならないとしても、無駄ではなかったのだろう。


 大切なのは、「教育的なかかわりを考えるときに、生徒の将来から逆算して、今、教員としてどうすべきか」を常に考えていくことだろうと、再認識することができた。

井の中の高野聖