教員つれづれ草 217段
更新日時:2016年4月30日
「理屈を言うんじゃないよ! 大事なときに」~映画「男はつらいよ」寅さんのセリフから~
このセリフは笑える。一般常識として大事なときだからこそ理屈を言うのだろう。しかし、寅さんは逆なのだ。そしていたって真面目に言っているのである。そこがこっけいで憎めない。
理屈つまり論理的に議論をすることはもちろん大切だろう。文部科学省が重視する学力指標にも「論理的思考力」がある。
だが、論理の応酬になると、どうしても議論が硬直化してしまう。そこに情緒がわずかでもないと平行線だ。折り合いをつけて妥協点を探るということも大切だろう。
昔、『国家の品格』(藤原正彦 著 新潮新書)という本を夢中になって読んだ。「日本は世界で唯一の『情緒と形の文明』である。」という。このことも忘れずに「情緒的論理力?」を生徒に伝えていきたい。
井の中の高野聖