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学校生活

教員つれづれ草 257段

更新日時:2020年4月10日

教員つれづれ草 257段

外出自粛要請の中、ちょっとした息抜きとしておススメの映画と小説を一つずつご紹介します。興味があれば見てみてください。

 

映画『アウトブレイク』(1995)

 アフリカからアメリカに持ち込まれた非常に致死性の高いウイルスによる未曾有の「バイオハザード(微生物災害)」に立ち向かう人々を描いたサスペンス映画。

 アフリカで発生したモターバ・ウイルス(架空のウイルス。エボラ出血熱に似た症状を引き起こす)が、密輸されたサルからアメリカ全土へと広がっていく。陸軍軍医ダニエルズ(ダスティン・ホフマン)とCDC(アメリカ疾病管理予防センター)勤務の元妻ロビー(レネ・ルッソ)とその仲間たちが感染を食い止めようと奮闘する。

 アメリカ陸軍上層部のマクリントック少将(ドナルド・サザーランド)とフォード准将(モーガン・フリーマン)は、この伝染病が数十年前にモターバ川流域で派生した伝染病と同じであることに気づく。かつて持ち帰った血液は、マクリントックの指示によって密かに細菌兵器として軍に保管されており、血清も作られていたのだが…。

 この映画の冒頭に出てくるノーベル賞受賞学者Joshua Lederbergの言葉“The single biggest threat to man's continued dominance on the planet is the virus.”(地球上の人類の支配に対する最大の脅威はウイルスである)が非常に印象的。

 今から25年前の映画ですが、感染が拡大していく中での住民や政府の様子などは、現在の新型肺炎の蔓延の中でいろいろと考えさせられます。出演している俳優陣も90年代にスクリーンでよく見かけた豪華メンバーで見ごたえがあります。英語もそれほど難しくはないので、生徒の皆さんにはリスニングの勉強にもなるでしょう。

 

小説『首都感染』(高嶋哲夫 2010 講談社文庫)

 二〇××年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。しかし、スタジアムから遠く離れた雲南省で致死率六〇%の強毒性インフルエンザが出現! 中国当局の封じ込めも破綻し、恐怖のウイルスがついに日本へと向かった。検疫が破られ都内にも患者が発生。生き残りを賭け、空前絶後の東京封鎖作戦が始まった。 (Amazonより)

 

 今から10年前に出版された小説。まるで現在の新型コロナウイルスの世界的蔓延をタイムマシンで見てきたのかと錯覚するほどのリアルな物語です。小説中には東日本大震災の記述もありますが、それも実際の東日本大震災が起こる前に書かれたもの。まるで予言者のようだと巷で言われているようですが、作者の高嶋さんはあるテレビ番組で「ただ科学的に起こりうることを書き連ねただけ」と極めて冷静に語っていました。感染症の蔓延についてのシミュレーションであり、私たちがとるべき行動や心構えについても考えさせられる内容です。私も寝る暇も惜しんでむさぼり読みました。

 

 新型肺炎の流行もいつかは収束するはずです。最後はイギリスの元首相チャーチルの言葉で終わりましょう。

 

―― 現在我々は悪い時期を通過している。事態は良くなるまでに、おそらく現在より悪くなるだろう。

   しかし我々が忍耐し、我慢しさえすれば、やがて良くなることを私は全く疑わない。