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教員つれづれ草　223段

　俳優の渥美清は映画「男はつらいよ」で有名である。「渥美清って誰？」と考えてしまう人も、「寅さん」と言われると分かるだろう。俳優人生そのものが「寅さん」だったといえる人物である。

　こんなエピソードが伝わっている。彼はどんなに親しい俳優仲間にも家族のことをほとんど語らなかったらしい。妻や子どものことなど話さず、ましてやそれをネタにテレビに出ることもなかったのである。とかく最近の芸能人は「家族ネタ？」でウケをとる傾向が強いが、渥美清はとことん俳優としてのワザで勝負したといえる。

　かっこいいなぁの一言である。芸能人ではないが教員もかくありたいと思う。

　今年８月は渥美清没後20年にあたる。「寅さん」以外の主演映画上映会が始まるらしい。「朝日新聞」夕刊(６月９日)は一面記事として紹介している。

井の中の高野聖