【生徒会】映画『風の電話』
更新日時:2020年3月11日
もし亡くなった人と話ができるとしたら、皆さんは何を話したいですか?
岩手県大槌町には、電話線がどこにもつながっていない「風の電話」というものが設置されています。これは、東日本大震災の被害を受けて、ガーデンデザイナーの佐々木格さんがご自身の庭に完成させたものです。この電話は「天国に繋がる電話」として、今まで3万人以上もの人が訪れました。
これを題材にした映画が『風の電話』です。震災により家族を失った少女のハルが、あるきっかけにより、自分の生まれ故郷である大槌町へ、そして風の電話へと向かうストーリーとなっています。
東日本大震災から9年もの月日が経ち、街並みは綺麗になって、復興は確実に進んでいるように思えます。しかしまだ、被災者の気持ちや、街にあふれていた活気や人々の生活など、多くのことは元通りになっていません。この映画では、そんな人々の内面を窺い知ることができます。劇中では、様々な形の家族を通じて、故郷や家族の大切さ、そして震災等の被害で残された人たちがどのようにして生きているのかを描いています。津波の映像などの直接的な表現はないものの、見ているだけで、震災が奪っていったものの重みや、残された人たちの辛さ、そして、被害にあってもなお、故郷を愛し続ける人々の思いを知ることができます。
東日本大震災の被害を直接には受けなかったという方も、もちろん被災した方々も、どんな人が見ても、自分の家族、故郷のことを考えられるような映画だと思います。現在は外出するのが難しい状況ではありますが、ノベライズ本なども売っておりますので、ぜひ一度鑑賞してみてはいかがでしょうか。