OTSUMA TAMA Junior and Senior High School

学校生活

学校長就任のご挨拶

更新日時:2021年4月2日

学校長就任のご挨拶

熊谷 昌子


このたび、大妻多摩中学高等学校の校長を拝命しました熊谷昌子と申します。

 私は開校2年目に赴任して以来、30年以上本校で保健体育の指導を担当してまいりました。長い年月の間には、本校の雰囲気にも変化がありました。初期の頃は大妻女子大学に推薦制度を利用して進学する生徒が大半で学校全体がのんびりしていましたし、行儀やマナーを重視するあまり硬い雰囲気だった時期もありました。今現在は、学力だけでなく、生徒各自が持つ様々な資質や能力(すなわち非認知能力)を大きく育てていこうとするおおらかな雰囲気に変化しています。これは前任の谷林校長の時期から取り組みはじめた学校改革による成果であり、これからもこの姿勢を継続し、在校する生徒一人ひとりを温かく見守っていく所存です。

 新型コロナ感染症に振り回されたこの1年は、学校の存在意義をあらためて考えた1年でもありました。登校が叶わない2ヶ月の間、パソコンの画面越しの生徒がしっかり学習に取り組んでくれていることに安堵する一方で、私の心の中には焦燥感もありました。本来なら体験すべき事柄、体育で言えば、クラスメイトの声援を受けながら自分の限界に挑戦したり、自分や仲間のアイデアをまとめ上げてダンスの作品を生み出したり、グループで戦略を練って勝利の喜びを味わったり、といった機会が奪われることがとても歯がゆかったのです。実技教科に限らず、アクティブラーニングを多く取り入れている本校の教員は皆同じ気持ちだったと思います。学校は知識を得るだけの場所ではありません。仲間と共に過ごす中でこそ、失敗を恐れず挑戦する心や粘り強さ、自己主張と傾聴、団結力といった非認知能力を身につけることができ、人間形成につながります。今後、授業の形態がwebであれ対面であれ、生徒が学校で学ぶことの価値を忘れることなく指導にあたってまいります。

学祖大妻コタカは開学当初から「社会に貢献できる女性」の育成を目指していました。本校でもその目標を達成すべく「自立自存」「寛容と共生」「地球感覚」を教育理念に掲げて学校運営を進めています。予測困難な状況、男女共同参画を求められる社会の中で、貢献できる女性とは、どのような女性でしょうか。大妻多摩ではそれを、「自分で考え、発信できるスキル」「多様な意見を受け入れ、自分なりに判断する能力」「自らを客観視できる広い視野」「いくつになっても学び続けられる柔軟な心」をもつ女性と考えます。そのような能力が身につくプログラムをしっかり準備し、その成果が有機的にはたらくよう実践していきます。

私立6年一貫の女子校という特性を活かしつつ、生徒の皆さん、保護者の皆様の満足度を高めるべく、教職員一丸となって取り組んでまいります。今後とも、関係者の皆様のご理解とご協力を賜りたく、校長就任のご挨拶とさせていただきます。