OTSUMA TAMA Junior and Senior High School

学校生活

【高1】探究基礎「仮テーマ発表会」

更新日時:2020年7月30日

【高1】探究基礎「仮テーマ発表会」

仮テーマ「ドクターヘリについて」

高校1年生(33期生)

探究基礎「仮テーマ発表会」

 高校1年生の探求基礎では、1学期の最後に「仮テーマ発表会」を行いました。

 本校では、生徒自身がもつ疑問について調べ、深め、解決の道を探る探究活動を高校1年生のカリキュラムに取り入れています。そして、その探究活動の過程で、判断力や思考力、協働力、表現力などの多様な学力を向上させ、今後のグローバル社会の中で新たなものを創り、挑戦していくことのできる女性として働く基盤づくりをしたいと願っています。

 探究のスタートとなる生徒の疑問は多岐にわたります。家族との日常生活の中で感じた疑問、学校の授業を受ける中で出てきた疑問、テレビや新聞等のマスメデイアを通して出てきた疑問、さらには昨年度行った卒業研究を通して新たに出てきた疑問など様々です。1学期は、それらの疑問に対して「様々な視点から問いを立て」たり、「マンダラートを作成」したり、更に探究活動を通して何を明らかにしたいのかを見極める「リサーチクエスチョンを立てる」など「探求するスキル」を紹介し、実践してきました。その上で決めた仮テーマの発表会を1学期最後の分散登校中の授業で行いました。

 発表会では、生徒は事前に準備したパワーポイント資料をスクリーンに映しながら、2分間ほどのプレゼンテーションを行いました。事前に、担当教員との面談やロイロカードでのやり取りを通して発表内容についてアドバイスを受けることもありましたが、最終的にはアドバイスも参考にしながら自分で練り直し、自分のための探究の道筋を立てている姿に、教室の後ろで発表を見ながら嬉しく感じました。皆の前で話すことに緊張していた生徒もいたかもしれませんが、自分が調べてきたこと、努力してきたことを、自分の言葉で楽しんで発表しているように見えました。発表後の質問に対しても的確に回答する姿を見て、生徒の皆さんの秘めている力、逞しさを感じ、頼もしく思いました。



仮テーマ「芸術は医学の力になれるのか。そして医学は芸術の力を求めているのか」

 昨年度同様、発表会ではルーブリックで生徒の相互評価を行いました。発表をする上でのスキルを身につけると共に、友達がより良い探究・発表をする上でのアドバイスやアイデアを述べるオーディエンスとしての責任も学んで欲しいと思っています。各発表後の質疑応答も短時間でしたが、充実した時間になりました。

 今後は仮テーマ発表会でのアドバイスも踏まえて本テーマを決定し、夏休みには探究活動を進めるとともにアウトラインをつくっていきます。今後の発表会も楽しみにしています。


仮テーマ「アフリカの女性が抱える教育問題について~アフリカの女性の初等教育就学率を上げるにはどうしたら良いのか~」


 

とある生徒の「仮テーマ発表会」

高校1年生 N.H.

ごきげんよう。私は探究基礎で「日本の終末期医療について」、特に「今後の日本の終末期医療に求められるものは何か」ということにフォーカスして調べようと思っています。みなさんは自分の「死」について考えたことはありますか。後ほど詳しく述べますが、日本人は「死」に対する意識が低いと私は考えています。今回私の探求について、私のテーマについて、授業について、今後について、の3つに分けて話をしていこうと思います。

 まず、テーマについてです。私がこのテーマにした理由は多くあるのですが、その中で1番大きかったのは祖父母の死です。私は小学5年生の時に祖父母を亡くしました。振り返ってみると、祖父は病院で、祖母は自宅でそれぞれ良い医療サービスを受けることができていました。しかし、少子高齢化が進む今、私たちが祖父母の世代になったときに祖父母のような良い医療サービスを受けることができるか心配になり、また疑問に思いました。このテーマにするまでに他のテーマと迷ったり、「死」という暗いテーマで本当に良いのだろうかと悩んだりすることもありましたが、仮テーマを先生に提出した際、非常に前向きになることができるコメントをいただき、自分のテーマに自信を持つことができるようになりました。

 次に、授業についてです。今年は新型コロナウイルスの影響でオンライン授業がほとんどでしたが、家にいるからこそ自分のペースで考えることができ、より考えを深めることができたと思っています。マンダラートを使い、自分のテーマを様々な視点から見ることができ、それによって新たな疑問が生まれ、非常に充実した時間を過ごすことができたと思います。その中でも1番印象に残っているのは仮テーマ発表会の資料作成です。私のテーマは特に、漠然としか知らない人が多いと予想されたため、どうしたら相手に伝わりやすくイメージしやすいような情報を提供できるかを考えて資料や当日話す内容を準備しました。相手に問いかけるように話したり、アイコンタクトをとったりすることで聞き手に訴えかけるように発表し、「死」に対する現実味を感じてもらえるように意識しました。始めにも言った通り、日本人は「死」に対する意識が低いと私は考えています。そのため、私の発表を聞いている人だけでも「死」について自分事だと思って考えてほしく、この発表の仕方を意識しました。

 仮テーマ発表会が終わり、本テーマを決め本格的に探究活動が始まる時期になりました。私は今後、マンダラートで出した問いを中心に自分なりの探究活動を行いたいと思います。海外と比較し、日本の現状を述べたり、様々な資料を見比べて自分なりに考えをまとめたりできればと思っています。中学3年生の卒業論文での反省を活かしつつ、私なりの探究活動を楽しめるように地道な作業から頑張っていこうと思います。ごきげんよう。