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学校生活

【中3】「遺伝ゲーム」&「シャカイの流れをリカの視点でリカイを深める」【理科2】

更新日時:2020年7月17日

【中3】「遺伝ゲーム」&「シャカイの流れをリカの視点でリカイを深める」【理科2】

中学3年生(34期生)

「遺伝ゲーム」

 中学3年生理科2の1学期最後の課題は、「遺伝ゲーム」と「シャカイの流れをリカの視点でリカイを深める」でした。

前者は、クラスを半分に分けて父親役と母親役になり、両親から受け継ぐ生殖細胞(卵や精子)に含まれる遺伝子から子どもの形質(形や性質)が決まることをシミュレーションする中で、1学期に学んだ遺伝の仕組みについて復習すると共に、自分のからだの中で遺伝現象が起きていることを実感することを目的とした実習です。2回の授業を使い、生殖細胞に含まれる遺伝子を準備する1回目を学校または家庭で行い、2回目は学校に登校したメンバーの中で「お見合いメッセージ」をもとに結婚相手を決め、両親の遺伝子から子の形質を作っていきました。福笑いのように作られていく子の形質を見て、笑いが止まらない生徒もいましたが、親としての子どもへのメッセージには「可愛いよ~、生まれてきてくれてありがとう」「お父さんと似ている特徴があって嬉しいです(?)。誰からも愛される花のように明るく可愛い子に育ってね」(命名:愛花)などと愛情溢れるメッセージが多く見られました。 

 

「身体を大事にして、毎日輪郭マッサージすること」

「まゆげが太いから、今度細くしようね」




「シャカイの流れをリカの視点でリカイを深める」

後者は、2回目の家庭学習のメンバーが取り組んだもので、「水産庁がコロナ禍で苦境にある漁業を支援」という新聞記事について、社会科、そして理科の視点から記事を読み解き、「今の社会で何が起きているのか」理解を深めると共に、「私たちが何をしていくべきか」を考えることを目的とした授業です。「漁業の世界で今起きていること」を確認した上で、記事の中にあった「魚の旬」という言葉から興味のある魚の生態について調べたり、持続可能な漁業のために日本、そして世界で行われている取り組みについて紹介しました。「もし、あなたが水産庁で漁業支援の担当部署で働いていたら、流通面でどのような支援をするか」という問いについては、「LINEなどの国民の多くが使用しているアプリの企業と協力し、生配信で市場とつないで、全国どこからでも水産物を競り落とせるみたいな企画を提案したい」「学校の給食に魚を出せば、漁業の成長の助けになるし、魚離れを改善させることができるのではないか」「ふるさと納税の返礼品にする」などと具体的なアイデアがいろいろと出されました。

授業の中で自分の考えを述べる内容については、生徒の皆さんの希望も確認した上で、クラスメンバーで共有するようにしています。1人1人、考え方やアイデアが違うこと、だからこそ皆で取り組むとより良いものができることが多いことを理解し、更に他者の意見を知ることで、自分の考えを拡げる糧にしてもらいたいと思っています。


 1学期は自宅学習や分散登校の中で、オンライン授業を行ってきました。その中で生徒同士の「学び合い」の時間をとるために、小グループでの活動にも取り組みました。実際にいる場所は離れていても、「オンライン」という空間で繋がることで、わからないところを互いに教え合う生徒の姿を見たときに、オンライン授業の可能性を感じました。分散登校も始まったため、小グループでの活動は一旦ストップしましたが、2学期の授業でどのように生かせるか考えていきたいと思います。

 以前、授業中にとったアンケートの中に「私は普通の授業だと自分の意見をあまり言えていないけれど、オンライン授業だと自分の意見を言えていい」という回答がありました。実際に取り組んで見えてきた、オンラインだからこそできる利点を2学期からの授業にも取り入れていきたいと考えています。

今後の授業では、これまで多くの科学者が様々な研究で明らかにしてきた知の財産を引き継ぎ伝え、多様な自然に学ぶ、という科学の根幹部分を大切にしつつ、今後の世界をより良いものにするために私たちが何をすべきかという視点をもって、試行錯誤しながら授業をつくっていきたいと思っています。