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学校生活

【2023年度】起立性調節障害への理解を深める会

更新日時:2024年1月26日

【2023年度】起立性調節障害への理解を深める会



起立性調節障害への理解を深める会

 1月20日(土)に大講義室にて「起立性調節障害への理解を深める会」を開催しました。起立性調節障害とは、「たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴い、思春期に好発する自律神経機能不全の一つ」1)であり、代表的な症状を取り上げて「朝起きられない思春期の病気」として徐々に認知されるようになってきました。

1)一般社団法人日本小児心身医学会 “(1)起立性調節障害(OD)” 


 しかし、正しい理解がなされていないために当事者生徒が周囲から心ない言葉を浴びせかけられたり、保護者もどのような対応をすればよいか分からなかったりといったことで、当事者とその保護者の双方が大きな悩みを抱えています。そのような状況を踏まえ、「起立性調節障害への理解を深める会」を開催しました。


会の第一部は映画上映会で、「今日も明日も負け犬」という作品を鑑賞しました。



 ほんの少し、想像してみてください。
 ある日突然、原因不明の不調で今まで当たり前だった日常生活を送れなくなったら? 
起きたくても起き上がれない、寝たくても眠れない、頭痛、腹痛、動悸、倦怠感、吐き気、めまい、立ち眩み、失神…様々な症状が毎日続いたら?
 そんな不調を抱えながら必死に過ごす中で「サボり」「怠け」「甘え」「ズルい」「わがまま」「気合いが足りない」「もっと頑張れ」…そんな言葉をかけられたら?
(引用:Kiku-Ne作成「今日も明日も負け犬」上映チラシ)



 この作品は起立性調節障害の当事者である学生が監督をしており、自身の病気と向き合った経験がリアルに描かれています。会場では涙を流して鑑賞する姿が見られ、上映後には「当事者の気持ちを知ることができてよかった」と、作品に感動する声が多く聞かれました。





 第二部は起立性調節障害への理解を深める活動を展開されているKiku-Ne代表の野澤菊枝さんによる講演と質疑応答が行われました。起立性調節障害の症状は人それぞれであり「必ずこういう症状だ」「必ずこういう対応をすれば良い」といったようなものはないこと、また何より周囲の理解が大切であることなどをお話しいただきました。起立性調節障害にはサブタイプが複数あることなど、驚きと共に多くの知識を得ることができました。非常に分かりやすい説明とスライドで、第一部の上映会を踏まえてよりいっそう理解を深めることができました。


 参加した保護者の方からは、「誰にでも起こりうること、決して他人ごとではないことを知ることができ、大変勉強になりました」「苦しみが少しでも軽減されるように、周りの私たちが病気を理解し見守れる環境を作ることが大切だと感じました」「映画や講演会を通して疾患に対する理解が深まりました。多くの生徒さんにも見て頂きたい内容でした」等々、非常に多くの反応をいただきました。


 起立性調節障害は中学生の約10人にひとりが発症するとも言われています。自分や仲間がこの病気になって苦しみに直面した時のため、今回参加していない生徒のみなさんはぜひ下記の動画を視聴してみてください。




起立性調節障害 ~クラスメートに知ってほしいこと~