【中1】多摩巡検
更新日時:2022年10月14日
中学1年生(38期生)
多摩巡検を実施しました
縄文時代に多摩丘陵にはどのような植物が生えていて、当時を生きていた人々がどのように植物を利用しながら暮らしていたのか。今年初めて中学1年生対象に実施された多摩巡検は、考古と自然の両観点から多摩市について学ぶことを目的に行われました。
午前中は東京都埋蔵文化財センターを訪問し、学芸員の方々から『縄文時代の暮らしと植物』と『(縄文時代の植生を復元した)縄文の村でみられる植物』についての講義を受けるとともに、展示・体験コーナーの見学や「縄文の村」の散策を行いました。学芸員の方に質問ができる貴重な機会であったため講義後には質疑応答の時間を多くとりましたが、「(弓づくりに利用されていた)イヌガヤとはどのような素材なのか」「竪穴住居はなぜ地面を掘り下げてつくられているのか」「(アワの原種である)エノコログサはどのように食材として選ばれてきたのか」「縄文時代に植物の育て方を知っていたのか」「食用などで危険な植物をどのように理解したか」などなど、多くの生徒が手をあげて質問する姿がみられました。展示エリアでも学芸員の方に積極的に質問をしたり、体験コーナーでは友達と一緒に縄文土器パズルに挑戦し、完成した際には小さく歓声を上げて喜んでいたりする生徒たちの姿も見られました。また、「縄文の村」散策時には、講義で紹介されたカラムシやナラ枯れしたコナラ、多摩の固有種であるタマノカンアオイなどをマップを使って楽しそうに探す様子が見られました。
午後は雨天のため、「よこやまの道」散策の代わりに、多摩ニュータウン開発時に多摩丘陵に生息していたタヌキを題材としたビデオを視聴しました。午前中は縄文時代の多摩市をメインに扱いましたが、午後は50年程前の多摩市の姿について学ぶ時となりました。本巡検に先立ち『やとのいえ』という本の掲示を通して明治時代から現代に至るまでの多摩市の変遷を紹介してきましたが、多摩ニュータウン開発について動物の視点も含めて理解を深め、自然と共生する社会について改めて考える機会になっていればと思います。
今後、6年間で本校が立地する多摩市を舞台に様々なことを考え、学んでいくことになります。本巡検での気づきや学びが今後の生徒の活躍に繋がると嬉しいです。