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【校長室より】高校 卒業式式辞【2021年度 32期生】

更新日時:2022年3月23日

【校長室より】高校 卒業式式辞【2021年度 32期生】



卒業式 式辞

暖かな春風に誘われて、校内の桜のつぼみもふくらみ始めた今日の佳き日に、保護者の皆様ご臨席のもとに卒業式を挙行できますことは、この上ない喜びです。心からの感謝と御礼を申し上げます。

第32期、148名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
今、目の前でピンと背筋を伸ばす皆さんの顔には、中高6年間の学びを得て、立派に成長した自信と誇りが感じられます。今年度も、新型コロナウィルスの流行により学校行事の縮小や中止など大きな影響を受けましたが、皆さんはうつむくことなくしっかりと前を向いて、歩みを止めずにいてくれました。大変立派でした。



さて、皆さんは “守破離” と言う言葉をご存じのことと思います。剣道や茶道など学びごとにおける修業の段階を示す用語です。
その意味は、
守→流儀や型を守ってひたすら学ぶこと
破→他の流派の教えについても知り良いものを取り入れることによって今までの型を破り、心技を高めること
離→師や流派から離れて自分なりの独自の表現を持つこと です。
この守破離という言葉は、二つの重要なことを教えてくれます。一つは どのような道にも与えられた物事をひたすら学ぶ“守” の状態があるということ。
もう一つは、いかなる教えの目的も、その規律や教え自体ではなく、むしろそれを超えたところに真意があるということです。
まさに皆さんは大妻多摩中高で“守” を一心に行い、力をつけてくれました。
それぞれの進むべき道が決まり卒業される今こそ“破”の段階へステップアップの時期なのだと思います。皆さんにはこれから新しい出会いや発見があり、それが内面の変化をもたらし、各々の個性を大きく花開かせてくれることでしょう。今までに苦労して身につけてきた基本的な知識や思考能力を自分の将来につなげる工夫をしてください。そしてそれを誰かのために役立ててあげてください。多少煩わしく感じられたかもしれませんが、マナーだ常識だと言われながら身につけてきたセンスを、どうぞ社会に出て実践し、他者に優しく接してあげてください。
大妻多摩というある意味守られた場所から巣立っていく今こそ、一人の責任ある人格を持った女性の誕生ですね。そしていずれ“離”の境地に達し、社会で活躍をしてくださる日を心待ちにしております。



最後になりましたが、本日ご臨席を賜りました保護者の皆様、ご卒業の日を無事迎えられましたことを心よりお祝い申し上げます。
本日までの道のりは決して平坦なものばかりではなかったことと思いますがここに見違えるほど成長したお嬢様の姿に、溢れる想いがこみ上げられることと拝察致します。
また在学中の数々のご支援ご協力に対しまして、心より厚くお礼申し上げますとともに、引き続き大妻多摩中学高等学校の充実発展のために、変わらぬお力添えを賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。


令和4年3月17日

大妻多摩高等学校 校長 熊谷昌子