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【校長室より】Amanda Gorman、スーパーボウルで3人の戦士を称える

更新日時:2021年2月22日

【校長室より】Amanda Gorman、スーパーボウルで3人の戦士を称える

大統領就任式で Glamour誌より

Amanda Gorman、スーパーボウルで3人の戦士を称える

 

120日のバイデン大統領就任式で自作の詩“The Hill We Climb"(「われらが登る丘」)を朗読して一躍脚光を浴びた22歳のアマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)さんは、27日に開かれたスーパーボウル(アメリカンフットボールNFL王座決定戦)で、コロナ禍で闘う教育者(educator)、看護師(nurse manager)、退役軍人(veteran)を称える詩“Chorus of the Captains”(「キャプテンたちのコーラス」)を朗読しました。

 

2017年に全米青少年桂冠詩人に選ばれたアマンダさんはハーバード大学を卒業し、現在は詩作のかたわらモデルや活動家としても活躍しています。大統領就任式ではアメリカを代表する詩人が詩を朗読する習わしになっていますが、教育学博士号をもつ教員でもあるバイデン大統領ジル夫人が、ゴーマンさんを推薦したということです。

 

When day comes, we ask ourselves, where can we find light in this never-ending shade

 

「日が昇ると私たちは自問自答する、この終わりのない闇のなかで、私たちはどこで光を見いだすのか」でこの詩は始まり、次の言葉で締めくくられます。

 

When day comes, we step out of the shade of flame and unafraid.

The new dawn balloons as we free it.

For there is always light, if only we’re brave enough to see it.

If only we’re brave enough to be it.

 

「日が昇ると、私たちは炎のように輝き、恐れずに、闇から足を踏み出す

 それを解き放てば、新たな夜明けが世界を満たす

 私たちがそれを見る勇気さえあれば、光は常にある 

 私たちが光になる勇気を持ちさえすれば」

 

アメリカ合衆国を分断した大統領選挙は終わりを告げ、民主党のバイデン大統領が誕生しました。最初筆が進まなかったアマンダさんは、16日にトランプ支持者が連邦議会を襲撃したことに大きな衝撃を受け、「私の願いは、私の詩によってアメリカが統一されることだ」と感じて一気にこの詩を完成させたとインタビューで答えました。

 

ゴーマンさんは将来アメリカ大統領になることを夢見ており、第二スタンザで次のように書いています。

 

We the successors of a country and a time where a skinny Black girl descended from slaves and raised by a single mother can dream of becoming president, only to fine herself reciting for one.

 

「私たちはこの国の後継者だ。ここアメリカでは、奴隷の子孫で、シングルマザーに育てられたやせっぽちの黒人の少女が、大統領のために自作の詩を朗読するだけで、将来大統領になる夢を抱くことができる」

 

アマンダさんは子ども時代に聴覚情報処理障害(auditory processing disorder)と言語障害に苦しみ、教員をしていた母親の励ましにより、この障害を生まれながらの才能と考えて克服したといいます。

 

アマンダさんがスーパーボウルで朗読した“Chorus of the Captains”は次のような詩です。

 

Today we honor our three captains

For their actions and impact in

A time of uncertainty and need.

 

「今日私たちは3人のキャプテンに敬意を表します

不確実な時代、そして人々が助けを必要としているこの時代に

(私たちを導いてくれた)彼らの行動と影響力ゆえに」

 

3人とはロサンゼルスの教育者Trimaine Davis、フロリダの看護師Suzie Dorner、ピッツバーグのボランティアである退役軍人James Martinのことなのです。アマンダさんはコロナ禍のアメリカ各地で昼夜を問わず働いてくれている一般の市民の代表に対して、感謝の気持ちを込めて詩を書いたのです。

 

Let us walk with these warriors,

Charge on with these captains,

And carry forth the call of our captains!

We celebrate them by acting

With courage and compassion,

By doing what is right and just.

For while we honor them today,

It is they who every day honor us.

 

「これらの戦士とともに歩こう

これらの戦士とともに力を携え

私たちの戦士の呼び声とともに前進しよう

私たちは彼らを称える

勇気と思いやりの心で行動することによって

正しく公正なことを成し遂げることによって

私たちは今日彼らを称える

日々私たちを称えてくれるのは彼らなのだから」

 

ゴーマンさんのパフォーマンスはYouTubeで見ることができます。希望と自信を表す黄色のドレスを好んで着るゴーマンさんの、かつて言語障害で苦しんだとは思えない明瞭な朗読を聞いてみてください。