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【校長室より】ルイーズ・グリュック ノーベル文学賞受賞

更新日時:2020年10月26日

【校長室より】ルイーズ・グリュック ノーベル文学賞受賞

出典)The Guardian紙

女性詩人ルイーズ・グリュック(Louise Gluck)ノーベル文学賞受賞


今年のノーベル賞はさまざまな部門で4人の女性がノーベル賞を受賞しましたが、文学賞はニューヨーク生まれのハンガリー系ユダヤ人の詩人ルイーズ・グリュック(1943~ )に与えられました。アメリカ人女性としては1993年にトニ・モリソンが受賞して初めての受賞となります。グリュックは1992年に出版した詩集The Wild Iris93年のピューリッツァ賞詩部門を受賞、翌年には全米図書賞も受賞しています。

 

 “her unmistakable poetic voice that with austere beauty makes individual existence universal.

 「厳然たる美をともなう紛れもなく詩的な声は、個の存在を普遍的なものに高める。」

 

ロサンゼルスタイムズによれば、スウェーデンアカデミーは上記の言葉を受賞理由として挙げています。

 

記者がインタビューのための電話をしたところ、グリュックはその電話が録音されていないことを確かめ、「ちょっと待ってね。今すぐコーヒーを飲んで何か食べる時間をくださらない?」と断ってからインタビューに応じたといいます。

 

 “I have no idea [what it means to me], my first thought was that I won’t have any friends, because most of my friends are writers.  But then I thought, no, that won’t happen.”

 

「受賞がどんな意味があるのか私には全くわかりません。最初に頭に浮かんだのは友達がいなくなってしまうのではないかと。だって私の友達の大半は作家なのですから。それから考え直したのです。いえ、そんなことは起こらないわ」

 

私はこの作家の名前を知りませんでしたし、アメリカ現代詩にも疎いので何かを言う立場ではありませんが、インタビューの様子からとても気さくな女性のように感じられます。現在イェール大学教授のグリュックはノーベル賞の賞金でヴァーモントに家を買いたいと言っているそうです。

 

彼女の詩は日本語に訳されているものは少なく、邦訳の詩集も出版されていませんが、生と死、家族、愛と喪失などを題材にしたメタファー(隠喩)を駆使した詩が多いということです。