【校長室より】Stay home. Be strong and be kind.
更新日時:2020年4月30日
Stay home. Be strong and be kind.
(おうちにいましょう。強く、そして優しくなりましょう)
ニュージーランドは、世界に先立っていち早く非常事態を宣言して一か月余り経過した4月27日、アーダーン首相は新型コロナウィルス感染拡大を防ぐ警戒水準を最高の「レベル4」から「レベル3」に引き下げると発表しました。このたびのコロナ危機に対してニュージーランド政府は、3月16日には国民を含むすべての入国者に対して2週間の自主的な外出自粛を求めていました。そのときはわずか8名の感染者だったといいますが、感染者が増え続けたために非常事態宣言に踏み切ったと言います。空港封鎖後も感染者が増え続け4月初旬には全土で1000人を越えましたが、その後増加の速度は鈍ってきたということです。
(ニュージーランドは日本と同じ島国ですが、面積は日本の約4分の3、人口は日本の一億2000万人に対して約500万人です。)
今世界のメディアで注目を浴びているのは39歳のジャシンダ・アーダーン首相(Jacinda Kate Laurell Ardern)です。第17代労働党党首、2017年10月に第40代のニュージーランド首相に就任。2018年には女児を出産し6週間の産休をとったことでも注目されました。
アーダーン首相は非常事態宣言に先立つ20日に国民に向けて10分近くのメッセージを官邸から呼びかけました。
What we need from you, is support one another. Go home tonight and check in on your neighbor. Start a phone tree with your street, plan how you’ll keep in touch with one another. We will get through this together, but only if we stick together. Be strong and be kind.
「いまみなさんにお願いしたいのは、お互いに支えあってほしいということです。今晩うちに帰ったらお隣さんに様子を聞いてみて下さい。電話連絡網を作って、ご近所とどうやったら連絡が取りあえるかプランを立ててみて下さい。この難局を協力して乗り切りましょう。協力しなければできないことです。強く、そしてお互いに優しい心を持ちましょう。」
アーダーン首相は公邸からだけでなく、FBからも毎日のように国民の質問に答えたり、小さい子供にもわかるように女性ならではの自粛期間の過ごし方などを語りかけ、そのスピーチはいつも“Be strong and be kind”で締めくくられています。時には自宅で子供を寝かしつけた後、トレーナー姿で国内の現状を親しげに話しかけて、そのリーダーシップと共に国民に寄り添う親身な対応が高い評価を得ています。
警戒態勢が「レベル3」に緩和されたといっても、すべての制限が解除されるまでにはあと数週間かかるといいます。今でも外出自粛は変わりませんし、ショッピングモールなどは閉鎖されているということですが5月2週目以降は段階的に経済活動を再開できるか検討するということです。空港を封鎖して外部からのコロナウィルス感染を封じ込めという首相の早い決断とリーダーシップが感染拡大の抑制に効果を上げ、ある調査によれば、国民の彼女に対する信頼度は90パーセントとG7の中でも群を抜いています。
FBの自宅からの動画はリラックスした話し方なので少し聞き取りにくいのですが、国民に対する公的なスピーチは明瞭なのでYouTubeでぜひ視聴してみてください。