【校長室より】高校 演劇部 優秀賞 受賞
更新日時:2019年11月25日
高校演劇部は、池袋の東京芸術劇場シアターウェストで行われた第73回東京都高等学校演劇コンクール中央発表会に参加し、優秀賞を受賞しました。おめでとうございます。
高等学校演劇部は、2002年度の大妻多摩高校演劇部の先輩が作った『無散花(トワノハナ)』を脚色して『無散花2019』として上演しました。
舞台は「少年鑑別所」。窃盗、殺人未遂、売春など、それぞれに何らかの罪を犯して収容された16歳から18歳の少女たち。異なった環境からここに連れてこられた少女たちは、定期的に行われる「心理テスト」を経て罪状が確定すると、少年院送致、あるいは保護観察になるなど、生活する場所が変わっていきます。
登場人物は18歳の優と彩花と桔子、17歳の有希、16歳の千穂の5人。新入りの有希はすでに出来上がっている4人の輪になかなか溶け込めません。4人の輪といってもそれぞれ過去を背負っており、口論や取っ組み合いは日常茶飯事、同室者に対して気を許すところまでいきません。
社会とは隔絶した空間に置かれ、5人は家族に対する思いや、犯した罪に対する後悔の念などが交錯するなか、窓から見える一本の木に咲く花に思いを馳せます。
鑑別所ではおそろいのつなぎを着せられ、髪の毛はぼさぼさだったり緑のカラーが入っており、長い髪を後ろでキリッと結わえたセーラー服の「ごきげんよう」の世界とは全く異なった、鑑別所で繰り広げられる展開に思わず引き込まれました。ふだん学校で出会う生徒とは正反対の迫真の演技に、これが本当の彼女たちの姿かと思ったり。
出入りに使われるドアと室内の折りたたみ机以外にほとんど何もない舞台前面には、閉鎖空間を表す二本のポールに渡されたピアノ線だけ。
彼女たちが鑑別所の外の咲く花に引きつけられた時のピアノ曲、そしてカーペンターズの“Yesterday Once More”が深い意味を持ちます。
効果的な照明も登場人物の心象を表すかのようにうまく使われていました。総勢8名の高校演劇部員総出の舞台制作でしたが、芸術劇場の技術スタッフの方たちがずいぶん助けて下さったとか。文化祭でAV教室で観たときとは見間違うほどの演技の伴った舞台でした。