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【校長室より】すべての少女たちには可能性がある――車椅子のバービー誕生

更新日時:2019年9月2日

【校長室より】すべての少女たちには可能性がある――車椅子のバービー誕生

東京2020オリンピック・パラリンピックを来年に控え、メディアでもさまざまな種目についてのニュースが取り上げられています。中でもパラスポーツに対する注目度はかつてないほどに思われます。陸上競技のほか車椅子バスケットボールやテニス、水泳などのパラ選手の活躍も大きく報道されるようになりました。

つい最近のことですが車椅子に乗ったり義足をつけたバービーが販売されたというニュースが飛び込んできました。バービー人形がアメリカで誕生したのは今から60年前の1959年のこと、もともとは顔が小さくて手足の長い着せ替え人形でしたが、次第に現実のアメリカ人の多様な人種を反映して、褐色や自然の肌色で髪の毛もブロンドからカーリー、まっすぐの黒髪など、ラテン系やアジア系の人形も販売されるようになりました。また、最近では体形もモデルのような背の高い人形から背の低い太めの人形など、実際にこれらで遊ぶ様々な女の子の体型をした人形が作られるようになりました。バービー人形はそれぞれの時代を反映して、宇宙飛行士からアーチスト、政治家にいたるまで著名女性のバービー人形も売り出されてきました。

マテル社の副社長Kim Culmoneによれば、車椅子に載ったり肉体的な障がいを負った人形を作ることにした理由について雑誌のインタビューで次のように語っています。

「小さな胸やウェストがあまりくびれていない多様な体型のバービーを作りました。車椅子に座っているバービーは消費者の要望に応えたものなのです。私たちはお客様の要望にお応えすることが重要なのです。」

“We’re going to be introducing a doll in a wheelchair and a doll representing physical disabilities. She has a prosthetic limb. [There will be] additional body sizes – a Barbie with a smaller bust and less-defined waist. A wheelchair or doll in a wheelchair was one of the most requested items through our consumer. It’s important to us to listen to our consumers.” (Teen Vogue)

マテル社は障がいがある人を正しく理解するために、UCLAのチームと共に車椅子を製作し、12歳の義足の少女Jordan Reevesともに義足のバービーを作ったということです。Jordanは自分が使っている義足のように、取り外しができるようにしたらより本物に近くなると提案しました。

多様な体型のバービーが売り出されたのはつい最近の2016年のことです。それまでバービー人形はアメリカ人の(あるいは世界中の)少女たちにとっての美の象徴でしたが、より現実的な姿のバービーが登場するようになったのは、多様性を受け入れる社会の変化、そして消費者の意識の変化がマテル社を動かしたからなのです。

「われわれマテル社の使命はすべての少女たちに限りない可能性があることを示し続けることなのです。その仕事に終わりはありません。現在と未来に続く終わりなき取り組みなのです」

“It is a continuation of our mission to really show all girls they have limitless potential, that it’s not the end. … This is just a continuing commitment that’s about the present and the future.”

Culmone副社長はこのようにインタビューを締めくくりました。

かつて日本のファッション誌には白人モデルの写真があふれていました。デパートでもテレビなどのメディアでも、最新流行の服を身につけているのは白人のモデルと決まっていましたが、いつのころからか世界中のファッション誌にはアフリカ系、ラテン系、アジア系のモデルが登場するようになりました。さらに小柄な女性、少し太めな女性向けの服のページも現れ、東京オリパラを契機に社会は障がいをもつ人にさらなる光を当てるようになってきました。障がいがあるにせよ、すべての少女たちには無限の可能性が秘められているのです。