大妻多摩中学高等学校

第23段

先日の、とある日曜日に山梨へイノシシ料理を食べに行ってきました。


ちょっとドライブを兼ねて、近県に美味しいものを食べに行きたいなぁと考えていたときに、近場で山梨県→山梨といえばマンガ『美味しんぼ』“日本全県味めぐり 山梨編”にもでていた「イノシシ料理」と浮かび、ネットでイノシシ料理を出す店を探しました。
いくつかありましたが、本物のイノシシ料理を食べるなら、できるだけ人里離れた山中にある店がいいだろうと思い、『民芸茶屋・清水』という店へ。


到着して驚いたのですが、この『民芸茶屋・清水』はまさに『美味しんぼ』に登場していた“いのぶた料理”のまさにそのお店だったのです。
イノシシとイノブタは違いますが、中学生のころから『美味しんぼ』を愛読していた私にとっては、そんなことよりも『美味しんぼ』でよく見知っていた店に偶然にも来れたことがうれしくてたまりませんでした。


話はそれますが、私が中学二年生のときに父が『美味しんぼ』を買ってきて初めてその存在を知ったのですが、当時はまだ三巻までしかでていないマンガでした。(ちなみに現在は百巻をゆうに越えています)でも、内容が料理だけではなく、日本の社会・文化・歴史、国際情勢などにまで及んでおり、またセリフの言葉もそれなりにハイレベルで、私の国語力アップに『美味しんぼ』が一役買ったことは間違いありません。生徒のみなさんにも『美味しんぼ』はお薦めしますよ。


さて、舞い上がってしまった私は、“いのぶた鍋定食”、“いのぶたバーベキュー定食”、“いのぶたもつ煮定食”、“いのぶた串焼き”、“いのぶたレバー串焼き”、“いのぶたじん臓串焼き”とたいらげ、至福のひとときを過ごしました。いのぶたは意外にあっさりとした味でした。


他にはお客さんがいなかったので、店のご主人に、近くにある「いのぶたむら」を案内してもらいました。
今は季節はずれということで、あまりイノブタはいませんでしたが、イノシシと豚のあいのこであるイノブタを生産するための“種イノシシ”がいて、それはそれは大きくいかつい姿をしていました。こんなイノシシに山中で襲われたらひとたまりもないだろうなと感じました。でも、それに比べてイノブタの子供はまだ小さくて、ペットにしたいほどでした。


ご主人はもう四十年ほどイノブタの生産をしているそうですが、今まで一頭も病気で死なせたたことはないとおっしゃっており、自分の仕事に誇りを持っておられるようでした。大変なことは、イノブタに餌をあげなければならないため、家族全員では旅行などに出かけられず、誰かが残らなければならないこと、また、餌となる穀物価格が値上がりすることだとおっしゃっていました。


山梨のかなり奥地にあるお店なので、すぐそばには山がそびえ、その麓には渓流があり、昔ながらの鯉のぼりがたなびいていました。そして心優しいご主人と奥さん。それは心休まる日本の原風景という感じでした。これから足繁く通うことになりそうです。

                               国語科 矢澤