大妻多摩中学高等学校

第57段

 参考書が昔ほど売れないらしい。今時の中高生にはうけないのだろうか。どうしても最近の傾向で、わかりやすく苦労せずに知識が頭にはいるようなものに人気が集まる。また本を開いて飽きない工夫がされているものや、色彩豊かなものが好まれる。作る側の努力たるや相当なものだろう。

 ただ、昔にくらべれば読み手が弱っていることは否定できない。自分で骨太の参考書を読み込む力がなくなっているのだろう。一から十まですべて教えてきたツケではないか。「教科書や参考書を独力で読み込むチカラ」を身につけさせていくような教育も我々は忘れずにいたい。手取り足取り教えすぎることは、自ら勉強する生徒の「手と足」を取ってしまっているかもしれないのだから。

                                                                井の中の高野聖