大妻多摩中学高等学校

第63段

 先日、帝国劇場にミュージカル『エリザベート』を観に行ってきました。これはハプスブルク家実質最後の皇帝フランツ・ヨーゼフの妃であるエリザベートの物語です。

 『エリザベート』を観るのは10年ぶり2回目でした。10年前に観たとき、なかなかいいミュージカルだと思っていたのですが、いまだに上演されていることを知り、観に行った次第です。(ちなみに10年前のエリザベート役は一路真輝、その相手役が内野聖陽で二人はこれが縁で結婚されましたが、最近、離婚騒動がありました…)

 この10年の間に自分では2回オーストリアのウィーンを訪問し、エリザベートゆかりのシェーンブルン宮殿にも足を運びましたので、だいぶエリザベートに関する理解は深まっており、10年前よりも楽しんで観ることができました。

特に上演開始直後の舞台はハプスブルク家の墓所。これはウィーンにあるカプチーナー教会の地下墓所がモデルでしょう。ここにはハプスブルク家の12人の歴代皇帝とそのゆかりの人びと146体の棺が安置されています。ただし、ハプスブルク家の習慣で、ここに眠っている人々の心臓の多くは、近くのアウグスティーナー教会に、内臓はシュテファン寺院に納められています。

この夏、職員室の仲間5人でウィーンに行った時に、この地下墓所も訪れたのですが、うち3人はその空気にただならぬ悪寒を感じ、足早に出て行ってしまったいわくありげな場所なのです。そういったものを普段はまったく感じない小玉先生も感じて出て行ったほどでしたから、よほどだったのでしょう。私はまったくそういったものを感じず、地下墓所はひんやりと涼しくて快適だなぁと思いながら、英語科の山根先生と歴史的な好奇心だけで一つ一つの棺をじっくりと見ていきました。(その山根先生も夜、ホテルで背中から肩に痛みを感じたそうですが…。 ひときわ大きいマリア=テレジアの棺の前で笑顔で記念撮影をしてしまった自分に少し反省です。)そのときのことを思い出しました。

薄暗くひんやりとした地下墓所墓所の出口近くにあるエリザベートらの棺

ただ一つ、上演の中で首をかしげたのは、舞台は第一次世界大戦前のハプスブルク家最後のときなのですが、なぜかナチスが登場してきたこと。カーキ色の制服に身を包んだ人物に、ハーケンクロイツの旗。時代が合ってませんよ!

でも10年ぶりに観た『エリザベート』には総じて満足で、三回目を観てもいいかなと思いました。ミュージカルを観て過ごす休日もまた贅沢でいいものだなと感じた一日でした。

※写真:左は地下墓所の中でもみなさんがただならぬ空気を感じた一室。たくさんの棺が並びます。
右は真ん中がフランツ・ヨーゼフの棺、左がエリザベートの棺、右が息子のルドルフの棺。

                                                                        国語科 矢澤