大妻多摩中学高等学校

第93段

 ニュース番組をみていたら、驚くべき話が紹介されていた。大学生の就活に関するものである。「喫煙者を採用しない」という企業の話だった。説明会では担当者が学生に対し、「これを機会に禁煙した方が健康によい」とか「喫煙者は休憩のため席を外すので仕事が非効率になる」などともっともなことを述べていた。採用というにんじんをぶら下げられている学生は、それに反論することは厳しいだろう。言っていることは正しいのだが、私は強い違和感を感じる。

 まず大切なことは、「喫煙」は法律違反ではないということである。その前提は忘れないで欲しい。喫煙者が近くにいると確かに嫌かもしれない。しかし、排除の論理をここまで徹底させるのはどうなのだろう。この事例だけではないが、日本社会が「潔癖性」になりすぎているのだ。不愉快なものを徹底的に「正論」でもって隅に追いやる。もう少し「寛容さ」がなければとつい思ってしまった。

ちなみに私はたばこを一切吸わない。また、たばこは二十歳をすぎてから。これは常識である。

井の中の高野聖