大妻多摩中学高等学校

第94段

 校内を歩いていたら、「瀬戸の花嫁」が聞こえてきた。授業中だった。「瀬戸は日暮れて、夕波小波……」。とてもよい歌だ。歌詞に情景がある。のどかな瀬戸内の風景やその生活の息吹が手に取るように想像できる。懐かしいと思うのは私だけだろうか。

近ごろ流行る歌はどうも心に訴えてこない。ノリはいいのだが、歌詞に共感できない。そのため賞味期限も短い。すぐに新たなノリのよい曲に取って代わられてしまう。その点、「瀬戸の花嫁」は永遠に歌い継がれる名曲ではないだろうか。

ちなみになぜこの曲が流れていたのだろう。音楽の授業?そうではない。中学3年生の社会の授業で教材として使っていた。修学旅行で訪れる瀬戸内海をイメージするものとして流していたらしい。この曲を聴いたその時、昔の名曲を中高生にも伝えていきたいと、ふと思った。生徒の心にもきっと何か残ったことだろう。

井の中の高野聖