大妻多摩中学高等学校

第98段

学校バアちゃん誕生!

 私の生家は東京の板橋にある。中小の工場が立ち並ぶ地域で自営業(蕎麦屋)をしていた。幼少の頃を過ごした昭和40年代は高度経済成長期で、仕事はかなり順調だったようである。私の家は仕事を手伝う父方の叔母夫婦も同居しており、最も多いときで8人家族だった。仕事が仕事だけにいつも近くにいるが、両親に遊んでもらった記憶はあまりない。

 私の祖父は厳しい人であったが、よく遊んでくれた。その祖父も私が小学校に入学する前に他界した。祖母も厳しい人であったが、いろいろなことを教えてくれた。来客に対する態度が悪いといって、よく叱られた。今と違い、家の周りに子供たちの姿が絶えることのない時代だった。私もよく遊び、よく喧嘩もした。友達と喧嘩をしたことは、言わずとも祖母にはバレていた。いつものように家を出ない私に仲直りの仕方を教えて、送り出してくれたのは祖母だった。

 昨年度から、中1、中2を対象に「ソーシャル・スキル教育」のノウハウを取り入れた「対人関係スキル」を実施している。断り方や頼み方、その他の対人関係場面(謝り方や注意の仕方など)でのスキルを考えよう、という教育である。これが意外とウケている。現実問題として、日常生活のひとコマひとコマに生徒はどう対処していいか、困っている様子が伺える。

 近年、私の祖母ような“ばあちゃん”が少なくなったように思う。ばあちゃん役を肩代わりする大人が求められる時代である。学校がばあちゃん役を担う、そういう時代になっているのかも知れない。

 以上、“学校ばあちゃん”誕生秘話? である。

数学科・高3学年主任
秋 元 俊 八
(日本カウンセリング学会 認定カウンセラー)