大妻多摩中学高等学校

第99段

 私はいま大関の魁皇に注目している。幕内最高年齢で大関の地位をいまだに守り続けている。毎場所、ぎりぎりの勝ち越しで、大関としては物足りないのかもしれない。しかし、年齢的に限界を超えているはずなのだが、負けそうで負けない相撲を毎日取っている。魁皇が出てくると、知らないうちに祈るような気持で「勝ってくれ」と念じてしまう。

 魁皇の魅力は何だろう。日本人特有の判官びいきで応援してしまうのかもしれない。でもそれだけではない。「型」を持っているところに魅力があるのではと思っている。勝つときの「型」である。右上手をがっちりとつかみ、よつに組んでその腕力で寄り切る。これが魁皇の勝利の方程式なのだ。この「型」に持ち込めば横綱とも互角以上に戦える。実際、技能審査場所の千秋楽はこの「型」で白鵬を寄り切った。

 私は彼から「型」を持つ人間の強みを学んだような気がする。何でもかんでもうまくこなす人間もよいが、自分の「型」を持っている方が魅力的なのではないか。イチローも「型」を持っている。

 勉強も自分の正しい「型」を持っている人は向上する。中学生のうちに学習習慣の確立、つまり「型」を完成させることが大切だと改めて感じた。

井の中の高野聖