大妻多摩中学高等学校

第117段

 「世界遺産に登録」「ミシュランで三つ星」「ランキングで1位に!」………。

 このように評価されると一様にうれしい。喜ぶべきことである。登録されたり、星3つをもらうことで、世間から評価されたとみんなは判断する。

 しかし、これでよいのだろうか。線引きされることで、一瞬ではあるが選考からもれると否定されたように錯覚する。冷静に考えると、「どこの権威か分からないが、神でも仏でもあるまいに上から評価を下す根拠は何?」と言いたい。いや神仏はそんな判定を下さないだろう。あまりに白黒をつけて良い悪いを判断するのは危険ではないか。

 ある本の一節に「予め決められていることが多すぎると、日本人の心は死んでしまうのである」とあった。自分の目で見て、聞いて自分の判断で良さを感じる感性を大切にしたい。

 「自燈明、法燈明」……自分の感性と、学問から本質を探る知性とを育てる大妻多摩でありたい。

井の中の高野聖