大妻多摩中学高等学校

第120段

 ある新聞記者の講演を聴いて印象に残ったことがある。「キャリア教育の落とし穴」という内容だった。学校ではどうしても「仕事とは何か?」「将来の夢は?」などを考えさせる傾向が強い。早い段階から将来を考えさせ自立を促そうという意図である。

しかし冷静になって考えてみる。そんな早い時期から「将来の仕事」を考えさせていいのだろうか。決めてしまうことで可能性を狭めることはないか?そんな疑問を感じた。 そして記者は言う。「将来の夢を決めさせて、全員がその夢を実現できるのですか?現実はそうではない。多くは夢の実現は難しい」と。なるほど……!

 だからこそ大切なのは、挫折した時にそれを乗り越える力を身につけることなのだ。学校では、そのような「生きる人間力」を生徒に身につけさせたいものである。

井の中の高野聖