大妻多摩中学高等学校

第127段

「懐かしいヒメの思い出(前編)」

 今月の初めに以前卒業させた生徒達との「学年同窓会」がありました。「クラス同窓会」ではなく学年全体での同窓会でした。どの学年もそうでしょうが、6年もあれば色々あります。この学年もドラマティックに本当に楽しませてくれた学年でしたが、最後の2年は仲の良い、しかも学年全体でまとまりのある集団に成長してくれました。初めて成人式を学年全体で企画して、しかも学校で行ったのもこの学年でした。そんな流れがあったので、今回も「学年同窓会」が開かれたのでした。旧担任としては、自分のクラスもさることながら他クラスの生徒も、こんな小規模の学校なので気になるものです。学年で集まれれば、全てのクラスの生徒に再会できるチャンスがあって一層楽しい会となります。

 さて、同窓会の盛り上がった話しの中で「ヒメ」の話しが出てきました。最近では大妻多摩では見られなくなりましたが、以前はクラスでウサギなどの小動物を飼っていたことがありました。私のクラスでも、折からのハムスター・ブームもあり、高校2年の秋からクラスでハムスターを1匹飼うことになったのです。10月下旬のある日、突然クラスに現れた真っ白のハムスターは、ピンク色のケイジをあてがわれ、その日から卒業の日まで教室の後ろで私達と生活を共にすることとなりました。小さくて愛くるしい彼女は、一躍クラスの人気者となり、HRで名前を決めることになると、クラスのアイドル的存在から「ヒメ」と名付けられたのです。ヒメはその後、受験期を迎え時に重圧につぶされそうになった彼女達を、小さなかわいい瞳で優しく見守り続け、クラスに笑いと温かいムードを創り出す原動力となってくれたのです。毎週土日になると当時車で通っていた私が自宅に連れ帰り、月曜日には私とともに出勤していました。長期休みの際には、生徒の家にお泊まりに行っていました。大掃除の日には、当然ヒメのケイジの掃除係も美化委員の生徒が作ってくれて、係生徒達は教室よりも入念に掃除をしたものでした。

 ヒメは教室に来て一月を過ぎた頃から徐々に体毛の色が、純白からねずみ色へと変わりました。みんなで病気かと心配したこともありました。その年の暮れを迎える頃には、おしりと胸の部分を除いて、きれいにネズミ色となり、まるでパンダのようになってしまいました。当時のクラスの日記には、その頃の可愛いヒメの絵がよく描かれていました。クラスが高3に上がる頃には、背中全体がねずみ色となったのです。毎年春に撮影される進級クラス写真にも、私の背広のポケットから顔だけを出して加わりました。生徒達が、「クラスメイトの一人(?)だから、絶対に一緒に写真を撮る」と言い張ったからでした。今見直すと、ヒメを中心に皆素敵な笑顔で写真に写っています。

 ヒメは2度ほど病気になり、動物病院へも行きました。一度目は「どうも最近食欲がなく、ヒマワリの種を食べない」という生徒の訴えに、動物病院へ連れて行くことになったのです。病気は深刻なものではなかったのですが、そこで実はヒメがオスであることが判明したのです。獣医さんによると、ハムスターは小さい頃は性別しにくいので、よくあることとのことでした。翌朝のHRは驚きの声に包まれました。(この話しは来月へ続く)

英語科 伊藤