大妻多摩中学高等学校

【校長室より】「ごきげんようの挨拶とトイレ清掃」

本校では授業の始まりと終わりには「ごきげんよう」の挨拶をします。そのほか入学式や卒業式、学校朝礼、夕礼(せきれい)など、「ごきげんよう」の挨拶は毎日のように交わされています。

この挨拶はもともと創立者大妻コタカ先生が決められたそうです。1908年に裁縫と手芸の家塾として創立された大妻学院は、約10年後の1917年には私立大妻技芸学校へと発展し、さらにその2年後の1919年には技芸学校の裁縫部に日本初の夜学部が設置されます。コタカ先生は女性が手に職をつけて社会で自立できるようにと裁縫の学校を開かれたのですが、昼間仕事をしている(あるいは家計を助けるために仕事をせざるをえない)女性が、さらに実技を身につけてパワーアップできるように、仕事が終わった夕方からの学校を開設なさったのです。夜間部の生徒は、仕事をする必要のないお嬢さんたちが帰宅するころに登校します。コタカ先生は、双方の生徒がすれ違ったときに、夜間部の生徒が引け目を感じないように、「ごきげんよう」の挨拶がふさわしいと思われて、この言葉が共通の挨拶になったということです。

出会ったときの「ごきげんよう」は「ご機嫌いかがですか?」という意味に使われ、別れ際の「ごきげんよう」は「さようなら、ご機嫌よくお過ごしください」の意味になります。「よろしくお願いします」の意味合いもあります。最初私がこの挨拶を聞いたときには、なんとなく気取った挨拶だと思ったのですが、コタカ先生の生徒を思う気持が表れており、とても便利な挨拶言葉だと思いました。生徒たちは入学するとまず、この「ごきげんよう」と共に、きれいなお辞儀の仕方を習います。生徒たちは中高6年をこの挨拶とともに過ごすので、すっかり習慣となって体にしみこんでいるようです。

さてトイレ清掃は中学一年生の仕事として割り当てられています。掃除当番になった生徒は夕礼が終わると割烹着を着てトイレ清掃を始めます。多摩中高校舎はB1から3階までありますから、生徒たちだけで校舎全部のトイレ清掃をするわけではありません。校舎の掃除は清掃会社の方たちが毎日してくださいますが(各教室と演習室は生徒が掃除します)、一年生はクラスごとにグループに分かれて自分たちがよく使う2階のトイレ清掃をします。生徒たちは一年間に数回トイレ掃除当番に当たることになるでしょうか。

 

 

トイレ掃除④ トイレ掃除② トイレ掃除③
1年生は自分たちが使うトイレをピカピカに磨いています。
3年生は教室の掃除がちょうど終わり、机と椅子をきちんと並べ終わったところ。

 

大妻多摩のトイレ清掃は教育の一環として行われますが、中学一年生はお母様任せにするのではなく自宅でも率先して掃除をすることを学びます。昨日わたしが見回りしたときも、当番の生徒たちはうれしそうに便器をぴかぴかに磨いていました。今は新しい洋式便器になりましたが、一昨年までは創立当初から使われていた和式でしたから、生徒たちは座り込んで便器を磨いていたと聞きました。トイレ清掃も、教室の清掃も、次に使う人のためにきれいにしておくという、コタカ先生のよくおっしゃっていた「事前の準備、事後の始末」につながります。自分たちが使ったところはきれいにするという習慣は、修学旅行に行ったときや体育祭や文化祭などのイベントでも生かされており、生徒たちは自主的に、あるいは上級生を見習って身の回りをきちんとする習慣を身につけていきます。

 

トイレ掃除⑤