大妻多摩中学高等学校

【校長室より】図書館の今と昔

図書館のカード①図書館は紀元前から人々の経験や知識を記した文書を所蔵する「知識の宝庫」でした。ヨーロッパでは図書館はキリスト教と密接な関係をもち、聖書や祈祷書、教義解説書などのキリスト教関係の文献が所蔵されていました。5世紀頃、それまで使われていたパピルス(葦の一種を原料とした紙)に代わって耐久性もある羊皮紙が使われるようになると現在の書物の形が誕生します。中世ヨーロッパにおいて図書館の役割を果たしていたのが修道院であり、中世の学問の中心としてさまざまな宗教書や祈祷書の写本が修道僧によって作られました。ようやく現在の図書館の形式が誕生するのが12世紀以降に創立された大学の図書館です。さらに15世紀に活版印刷が発達し出版物が流通し始めると、図書館は一気に現在の形に近づいていきます。また大学図書館とは別に、ヨーロッパの王侯貴族たちは自分の城に贅を尽くした個人図書館を作り、富や権力の証として豪華な装丁の写本や稀覯本を競って所蔵しました。特権階級の人々だけでなく一般庶民が自由に書物に接することができるようになるのは公共図書館が設立される19世紀後半になってからだといわれています。

図書館のカード②ところでみなさんは図書館に行ったらどのようにして本を探しますか。図書館にあるパソコンのOPAC(Online Public Access Catalog)の画面に書名を入力するか、書名がわからなければ検索語をいくつか入力するでしょう。どうやって調べたらよいかわからないときは図書館員に尋ねれば、検索の方法を教えてくれるでしょう。OPACとはオンライン蔵書目録のことで、書名のほかに著者名やその本の所在情報などがわかります。
このOPACが導入されたのは80年代以降といいますから、これより以降に建てられた図書館はすべて電子化されているといっていいでしょう。しかし、それ以前、わたしが学生だった頃の図書館には、パソコンの姿もなく、たいてい図書館の入り口近くに、図書目録カードを分類して収納する木製のケースが並んでいました。閲覧者は著者名あるいは書名を、和書なら50音順、洋書ならアルファベット順に並べられたカードから探してその番号を写して、そこに書かれた請求番号のラベルが背表紙に貼ってある本を書棚から探します。また、今なら読みたいページがあればコピーすれば良いのですが、わたしの学生時代はコピー機が出始めの、一枚が数十円する時でしたから、学生の身分で何枚もコピーすることもできず、ひたすらノートに書き写したものです。パソコンに入力すれば世界中の情報が入手できる今では考えられないことでしょう。苦労して書き写したりまとめることによって、本の内容がよく理解できるという利点はあったとは思いますが、今から考えると大変時間がかかりました。情報が容易に手に入る今だからこそ、ほしい情報、使える情報を見極めることが必要になってきますね。

図書館のカード③大妻多摩中高図書館と大妻女子大学図書館はすべて電子化されていたのでカードとカードケースを見つけることはできませんでした。写真の図書目録カードとカードケースは自宅の近くにある日本女子大学図書館のご好意によって撮影させていただきました。