大妻多摩中学高等学校

【校長室より】「何事も『無暗』はよくない」

キャンパスの花

キャンパスの花

「何事も『無暗』はよくない」
(大妻コタカ著『日常常識、礼儀作法』(1939)、花村邦昭著『母の原像』より)

「何事も『無暗』はよくない。避けるべき『無暗』な例:(無暗な…)敬語、褒め立て、慎み深さ、愛嬌、お世辞、社交すぎ、お喋り(人の話の横取り)、自慢吹聴、虚礼廃止の唱え、質素倹約、見栄(威張り)、御国自慢(家系自慢)、根堀葉堀、抱負語り、内輪話、等。」

「無暗(むやみ)」は「無闇」のことでしょう。「度が過ぎた」という意味です。ここでコタカ先生は、なんでも度を超すとよくないと書いているのです。過度な丁寧言葉、謙遜、へりくだりはかえっていやらしいものです。内輪だけで通じるような話を自慢げに話すのもよくありません。話をするときは、丁寧語、尊敬語、謙譲語の正しい使い方を学びましょう。

最近テレビで耳にする政治家の話し方がとても気になります。相手に敬意を払っているようでどこか耳障りなのですが、脚本家の内館牧子さんも『カネを積まれても使いたくない日本語』(朝日新書)で次のような例をあげています。

不要な「を」:「設置をする」、「把握をする」、「達成をする」など。
不要な「お」と「を」:「お会いをさせていただく」、「お伝えをさせていただく」、「お示しをする」、「お訴えをさせていただく」など。
内舘氏はまた、「お配りしてございます」、「お示しをさせていただいてございます」にみられるような「ございます」の誤用例をあげています。これらは政治家独特の表現だと思いますが、政治家だけでなくお役人のインタビューなどでも耳にします。そのほかにも「汗をかく」、「遺憾」、「緊張感をもって」、「重く受け止める」、「不退転の覚悟」などという表現を耳にしますが、過度に丁寧、いかにも重大そうに聞こえるから不思議です。テレビなどで耳にしているうちにその表現が当たり前になってしまうのは怖いですね。政治家だからこそ正しい日本語を話していただきたいものです。