大妻多摩中学高等学校

【校長室より】「今年度生徒会役員をさせていただくことになった高校2年の大妻多摩子です。」

白バラ②

1階グラウンドの白薔薇

新学期始まってすぐ、生徒会の役員たちが職員室に挨拶に来ました。それぞれこのように自己紹介をしましたが、ここでの「させていただく」の使い方は正しいです。でも最近よくテレビなどで耳にする次の言い方は正しいでしょうか。

「○○さんの出演なさった舞台を見させていただきました」、「移籍先のチームのユニフォームを着させていただきました」とか「このたび○○さんと結婚させていただくことになりました」というのを聞いてなんだか変な気持ちになりませんか?「見させていただく」は「見せていただく」または「拝見する」、「着させていただく」は「着てみました」または「着せてもらいました」「着せていただきました」、「結婚させていただく」は「結婚しました」が正しいでしょう。「結婚させていただく」は誰か第三者に許可をとって「結婚させてもらう」ようにもとれます。本来「~させてもらう」「~ていただく」は「相手のことは考えずに自分の都合でそうするという」意味を持つということです。(北原保雄『糾弾!問題な日本語』) 芸能人がよく使う過剰にへりくだった表現は違和感をあります。そもそも「さ」が余計です。

もうひとつ少し前から気になっている言葉があります。それは「大丈夫」という言葉です。目の前で転んだ人に対して「大丈夫?」と駆け寄るとか、具合の悪い人に対して「○○さん,大丈夫ですか」と聞くならわかります。でも「水、大丈夫ですか」と聞いて「大丈夫です」と答えたときはどういう意味になるでしょうか。「水お飲みになりますか」、「今いりません、間に合っています」と言うことなのですが、これに似た状況が日常あちこちに起きます。先日見学した部活では、下級生が上級生に向かって「大丈夫ですか」と叫ぶと、上級生は「大丈夫です」と叫び返しパフォーマンスが始まりました。あとでこれは「準備できていますか」「はい、オッケーです」という意味だと理解しました。

最近はあまり聞かなくなってきましたが,コンビニ敬語や接客敬語も気になります。「いらっしゃいませ、こんにちは」に始まり,「ご注文のほう、お決まりですか」、「こちらでよろしかったでしょうか」、「こちらハンバーグとアイスティーになります。以上でご注文の品,お揃いになりましたでしょうか」という表現を良く聞きますが、「~になる」「~のほう」は別の状況でも使いたくない表現です。

言葉は変化するものです。「食べれる」、「起きれる」、「見れる」のような「ら抜き」はある程度許容されるようになったとはいえ、私には違和感がありますし、テレビのテロップには「ら」が入れられるそうです。内館牧子著『カネを積まれても使いたくない日本語』を読むと、「そうそう、その通り、同感同感!」と納得します。市民権を得た日本語の例として「マジ」「ヤバい」、「やっぱ」「チョー」「ぶっちゃけ」などが上がっていますが、新しい言葉とはいえ、さすがにわたしは使えません。でも、「全然」のあとには「~ない」というように打ち消しが来るとわかっていても、「全然オッケー」と思わず言ってしまうことがあります。最近よく耳にする「大丈夫です」という表現が市民権を得る日も遠くないかもしれません。