大妻多摩中学高等学校

【校長室より】「根のごとくあれ」

ガラスの靴

ガラスの靴

「内に隠された意志の強さ、表面には見えませんが、この根があればこそ、人の心を和らげる花の美しさも生まれるものです。どんな困難も根のような堅い信念ではねのけていく力強さをもち、皆に好かれるように……」(花村邦昭著『母の原像』より)

これは、意志の強さというものは表から見えないものだが、その根っこにある力強さがあるからこそ美しく開花して他者に対しても良い影響を与えることが出来るという意味です。この「根のごとく」はコタカ先生が高校の卒業式の訓示としておっしゃった言葉ですが、「らしくあれ」と大いに関係ある言葉だと思います。置かれた場所や立場に応じて柔軟に行動するためには、強い信念と責任感がなければなりません。いいかえれば、前に突き進む勇気があれば、他人に対してもやさしくなれるし、みんなに好かれる人になれるということです。

先日封切りされたディズニーの実写版『シンデレラ』、ヒロインのシンデレラの心の支えは、亡き母の教え「勇気をもって、やさしく」(”Have courage and be kind”)です。この実写版は、シャルル・ペローの童話をアニメ化したディズニー映画『シンデレラ』(1950)がもとに製作されていますが、アニメではシンデレラがどのような性格なのか、どのように感情が変化していくかなどについてははっきり描かれていません。

一方実写版『シンデレラ』では舞台を19世紀のイギリスらしき国に設定し、おとぎ話の夢のような世界を再現していますが、シンデレラは自分の意見をはっきり持った心の美しい女性で、老女(実は魔法使い)に親切にすることによって運命が開け、意地悪な継母の冷酷な仕打ちに対して“No”と言える勇気をもっています。

監督はイギリス生まれの俳優でありプロデューサーでもあるケネス・ブラナー、王はナイトの称号を持つデレク・ジャコビ、継母は映画『エリザベス』のケイト・ブランシェット、魔法使いはヘレナ・ボナム・カーターというようにシンデレラと王子を固める脇役がすばらしい。現代女性の意志の強さと固い信念を持った新しいシンデレラの誕生です。