大妻多摩中学高等学校

【校長室より】「大妻多摩の生徒らしくあれ」

校訓「恥を知れ」と並んでもうひとつ、大妻コタカ先生の言葉に「らしくあれ」があります。「学生は学生らしく、娘は娘らしく、社会人は社会人らしくあれ」ということですが、人間は相手に応じて、場所によって、立場によってさまざまな役割を果たしていくときに、自分らしい個性をもって行動してほしいというものです。わたしは生徒の皆さんには「大妻多摩の生徒らしくあれ」という言葉を送りたいと思います。これは難関校めざして一生懸命努力するだけでなく、礼儀をわきまえ、責任ある行動のとれる自立した女性という意味です。ずいぶん盛りだくさんで大変そうにみえますが、大妻に入学しただけで自分の努力なくしては受験に成功しません。またどんなに試験の点数がよくても他人に対して思いやりや感謝の気持ちがなければ豊かな人間とはいえません。生徒の皆さんには大妻多摩の生徒としての誇りと自信を持って、自分の意見をはっきり言える人になってほしいのです。

この「らしさ」という言葉は最近また脚光を浴びている言葉でもあります。「女性らしさ」、「男性らしさ」という言葉がありますが、映画のハリー・ポッターシリーズでハーマイオニーを演じたイギリス人俳優エマ・ワトソンは、UN Womenの親善大使として、女性の地位向上についてさまざまな発言をしています。彼女は「らしさ」という性別の固定観念に囚われることなく、女性が自由に発言できる社会になればいいと国連でスピーチをして喝采を浴びました。フェミニズムの先進国のアメリカでさえ、21世紀の現在でも「フェミニズム」という言葉は正しく理解されておらず、男性と女性はあらゆる面で平等ではないというのです。

「女子は一人前の女性として成人するためには、男性に伍するだけの知識を身に付けなくてはなりません。いや、こういう場合、ことさら男女の区別をつけるのがまちがっているかもしれません。成人したということは、内面的な知識を充実させて、初めて言えるとおもいます。」コタカ先生は女性は自分の力を信じて、何でも男性に頼るのはやめるべきだともおっしゃっています。フェミニズムなどという言葉のない時代に、「らしくあれ」と個性を生かすことの大切さを教えるコタカ先生はまさしくフェミニストの先駆者といえるでしょう。