大妻多摩中学高等学校

【校長室より】京都大学特別教授の「6つのC」

本庶 佑 京都大学特別教授の「6つのC」

6つのC
クローズアップ現代より6つのC

 今年度のノーベル医学生理学賞は、がん治療薬である「オプジーボ」の開発にたずさわった京都大学特別教授の本庶佑氏が受賞しました。このニュースは、2人に1人がんを発症するという日本はおろか世界中のがん免疫療法に大きな光を投げかけました。しかし、本庶先生が体内の異物を攻撃する免疫細胞の表面に「PD-1」という免疫の働きを抑える分子を発見してからこの新薬の販売開始までには、なんと22年の歳月が経ったと言います。

「教科書を簡単に信じるな、常に疑え」、「ものごとに不可能はない、必ず道がある」という信念のもとに、本庶先生は自身のモットーとして「6つのCを大切に」を掲げています。それは「好奇心を大切に、勇気をもって、困難な問題に挑戦し、必ずできるという確信を持ち、全精力を集中させ、あきらめずに継続することで、時代を変革するような研究を世界に発信することができる」というものです。本庶先生の場合は、かつては不治の病といわれていたがん治療薬の発見は時代を変革する大きな出来事に違いありません。上に挙げた太字の言葉の英語はCuriosity, Courage, Challenge, Confidence, Concentration, ContinuationというようにそれぞれCで始まる単語です。最初は3つのCだったそうですが、研究室で若手研究者を指導しているうちにあとの3つのCが出てきたのだそうです。先日NHKで放映されたクローズアップ現代で本庶先生は「実際には順番は集中と継続が先で、......あまり最初から確信を持ちすぎると危ういことがあるから、集中して継続をしている中で、確信が生まれてくるというふうには思っています」と語っています。

  • 好奇心      Curiosity
  • 勇気       Courage
  • 挑戦       Challenge
  • 確信       Confidence
  • 集中       Concentration
  • 継続       Continuation

 

本庶先生は、時代を変革するような科学の研究においてこの6つのCが大切だとおっしゃっていますが、日頃勉強をしている生徒・学生から社会人のだれにとってもこの6つのCは重要です。「主体的で対話的な深い学び」というアクティブ・ラーニングはまさにこの6つのCが集約されたものです。人生100年時代という今日、好奇心勇気をもって挑戦し、それにはただ漫然とではなく集中的に行い、どんなに失敗してもあきらめることなく継続することによって確固たる信念(確信)が生まれてくる。もっとやさしく言えば、おもしろそうだと思ったら何でもいいから実行に移してみて、続けて一生懸命やってみることによって「そうか、こんなことだったんだ」と気づく。当然のこととはいえ、一貫してこの信念を貫くには日常的な努力が不可欠なのです。