大妻多摩中学高等学校

【校長室より】不屈の「ソウルの女王」、アレサ・フランクリン

不屈の「ソウルの女王」、アレサ・フランクリン

Aretha Franklin, Indomitable ‘Queen of Soul,’ Dies at 76.

「不屈の『ソウルの女王』アレサ・フランクリンが76才で死去」、ニューヨークタイムズ紙は8月16日、公民権運動の推進者でありフェミニストとして活躍したアレサの死をこのように伝えました。‘Indomitable’とは「決してくじけない」「不屈の」という意味です。

牧師の父、ゴスペル歌手でピアニストの母のもとに1942年に生まれたアレサの周りにはいつも音楽があふれ、幼いころからアレサは、教会に集まるゴスペル歌手やジャズピアニスト、ジャズ歌手から自然に音楽を学んだといいます。1987年45歳の時に女性で初めて「ロックの殿堂」(Rock & Roll Hall of Fame)入りを果たしました。1968年の民主党全国大会とマーティン・ルーサー・キング牧師の葬儀で、1977年のジミー・カーター、1993年のビル・クリントンの大統領指名コンサートで歌い、2009年のバラク・オバマ大統領の就任式を祝って大観衆の前で歌唱を披露したことでも知られています。

「女性も人間、男性と同じように血もあれば肉もある」と歌う“Do right, woman, do right, man”、‘Of freedom’と9回連呼する“Think”など、女性として歌うことの素晴らしさを前面に押し出しています。アレサの歌として特によく知られている“Respect”は、もともとは男性のオティス・レディングが女性に対して「リスペクトしてくれ」と歌っていたものですが、1967年のバレンタインデーに彼女がカバー曲をリリースして大ヒットしました。

What you want, baby I got it
What you need, do you know I got it?
All I’m askin’ is for a little respect
When you get home (just a little bit)
Hey baby (just a little bit)
When you get home (just a little bit)
Mister (just a little bit)

あなたが欲しいものはわたしが持っている
あなたが必要とするものはわたしが持っていることを(あなたは)わかってるかしら?
わたしが頼んでいるのは、家に帰ってきたときには(少しでいいから)
わたしをリスペクトしてくれということ

「女性もまた男性と同じように敬意を払ってもらいたい」と歌うこの“Respect”は、男女という個人的な関係から公民権運動、カウンターカルチャー、フェミニズム運動にまで広がりを見せ、アレサを一躍国民的歌手の地位に押し上げました。

It was the need of the nation, the need of average man and woman in the street, the businessman, the mother, the fireman, the teacher — everyone wanted respect.” (国中が求めていた。街中の普通の男性も女性も、ビジネスマンも母親も消防士も教師も、みんながリスペクトされたいと思っていた)

アレサはのちに自伝でこのように書いています。

また、夫妻そろって大ファンだったオバマ前大統領はアレサの死を追悼して次のようにツイートしました(ワシントンポスト紙、8月16日)。

In her voice, we could feel our history, all of it and in every shade—our power and our pain, our darkness and our light, our quest for redemption and our hard-won respect. May the Queen of Soul rest in eternal peace. (彼女の歌声の中にアメリカの歴史とそのときどきの局面を感じることができる――アメリカの力と苦悩、光と陰、救済の歴史とようやく獲得した敬意のすべてがあった。「ソウルの女王」に永遠の安らぎを!)