大妻多摩中学高等学校

【校長室より】オーストラリアの君主はエリザベス女王

オーストラリアの君主はエリザベス女王

7月22日から27日まで、第一回「グローバル・キャリア・フィールドワーク」に参加した中2と中3の101名の生徒と一緒に、オーストラリアのブリスベンとゴールドコーストに行ってきました。季節は日本と正反対の冬ですが、この地域は海岸の近くでもあり真冬でも20度前後の過ごしやすい気候でした。研修の内容はすでにHPとFBにアップしてありますのであえてここでは触れません。わたしは欧米には旅行や研修で訪れたことがありますがオーストラリアは初めてでしたので、気付いたことを挙げてみようと思います。(オーストラリアについては、一昨年の山根先生のオーストラリア滞在記“Ms. Yamane Down Under”がHPに載っていますので、そちらもあわせてご覧ください)

 

オーストラリアの紙幣とコイン

この写真はオーストラリアの紙幣とコインですが、どちらにもイギリスのエリザベス女王の顔がついていますね。オーストラリアはかつてイギリスの植民地であり、イギリスから独立したのは1942年のことなのです。現在でもオーストラリアはイギリス(連合王国)を中心とするイギリス連邦(Commonwealth of Nations)の一国ということになります。今から約5万年前のことですが、もともとオーストラリアには狩猟民族のアボリジニー(アボリジナル)という先住民が住んでいました。ヨーロッパ、とくにイギリスからオーストラリアへ人々が入植してきたのは18世紀のこと、当時の移民の大半は囚人でした。その後金の採掘のためアジアやヨーロッパから多くの移民が住み着きゴールドラッシュが起こります。1901年にはオーストラリア6州が一つの国家になりますが、第一次大戦、第二次大戦後もオーストラリアにはヨーロッパや中東、アジアから多くの移民が移住し、多民族国家として発展していきます。

さてこのイギリス連邦とはイギリスと旧イギリス植民地諸国で構成されるゆるやかな連合体を指し、2017年現在で52か国が加盟しています。イギリス国王、すなわち現在ではエリザベス女王が連合の象徴として「君臨すれども統治せず」という立場をとっています。1949年の連邦首相会議でイギリス国王を君主としない国も連邦内に含めることになりましたが、現在エリザベス女王はカナダやニュージーランド、オーストラリアなど16か国の君主でもあります。つい最近このイギリス連邦のスポーツ大会がオーストラリアで開催されたとかで、オリンピックのマスコットのような人形があちこちに見られました。私たちが初日に滞在したホテルの近くに裁判所(Queen Elizabeth Ⅱ Courts of Law, Brisbane)があり、イギリスの法廷場面で見られるような黒の長い法服を着てバッハのような白いかつらをかぶって出勤する裁判官を何人も見ました。このようなところにもイギリスの伝統が継承されているのですね。中にはかつらを手にぶら下げている人もいましたよ。(さすがに写真を撮ることはできませんでしたが)ガイドさんによれば、今日は大きな裁判があるのでしょうとのことでした。

オーストラリアの現在の首相はタンブル氏(Malcolm Bligh Tumbull)、第29代の首相です。移民を多く受け入れ多文化主義をとるオーストラリアは移民に対して寛容、さらに第二次大戦以降女性に対して多くの職業が門戸を開き、70年代以降女性政策に関する担当機関などがあり、賃金においても男女平等制度を導入しています。第27代首相にギラード氏(Julia Eileen Gillard)がオーストラリア初の女性首相となったほか、外務大臣や市長、連邦議会議員に女性が多く登用されています。今回現地でお世話になったガイドさん、日本語診療所の通訳の方、ホテルのコンシェルジュの方の多くが日本人女性で、オーストラリアはワーキングホリデーで訪れる人も多く、外国人や女性にとって働きやすい国だと口々におっしゃっていました。小学校5年生の時にオーストラリアに引っ越し、中学・高校・大学とオーストラリアで過ごし、現在看護を勉強する大学生でありながらホテルのコンシェルジュとしてアルバイトをしているナナミさんは、男女平等ではない日本では絶対に就職したくないと言っていました。

「イギリス連邦」と「移民が多い国」というのはガイドさんのお話の中にもたびたび出てきたことでしたが、日本にいるとあまりピンときません。食文化についても、ゴールドコーストではオージービーフやラム、フィッシュ・アンド・チップスなどが定番ですが、多文化の国だけあって、イタリアンやアジア・中東などのエスニック料理などなんでもおいしい。ほんの数日の滞在でしたので良いところしか目につきませんでしたが、退職後の日本人が移住する場所としても人気があるということでしたので、確かに住みやすい国なのでしょう。次回はオーストラリアの人たちについてももう少し知りたいと思いました。