大妻多摩中学高等学校

【校長室より】話題の本の紹介② 落合陽一著『日本再興戦略』

『日本再興戦略』

20180423校長室よりおすすめ本②

もう一冊は、イノベーション開発を手掛ける経営者であり、メディアアーチストであり、筑波大学の准教授にして学長補佐を務める落合陽一氏による『日本再興戦略』。落合氏は、国策によって明治維新と戦後を経て急激に近代化を果たした日本は、今までの欧米幻想に基づいて成長してきた時代を振り返り、意識改革を行い正しい戦略にのっとって自信を取り戻せば再興できると断言します。彼は人口減少と高齢化は、ロボットや自動運転などのテクノロジーによって対処できるので、日本にとってチャンスだと書いています。

私たちが関心のある教育の分野についていえば、落合氏は小学校までは五感を伸ばすことに力を入れるべきなので幼稚園や保育園に入れる必要はない、小学校では好きなものや好きなアクティビティを見つけることが大切、現在の高校は受験のための上級中学校になってしまっている、センター入試を変えなくては高校は変わらない、大学入試は個別試験にした方がよい、大学に入学したらオリジナリティが求められる研究をするべきである、さらに拝金主義者をつくるMBAよりもアートが重要だと主張しています。さらに近年ますます盛んになった英語教育については、英語が流暢に話せるには越したことはないが、それよりも論理的思考のもとに話をまとめることのできる日本語力の方が重要だと言っています。

「手を動かせ。モノを作れ。批評家になるな。ポジションを取った後に批評しろ」と落合氏は研究室の学生に言っているそうです。とにかくやってみて、試行錯誤の末にオリジナリティが生まれて世の中を変えることができる、というのです。「ポジションをとれ。批評家になるな。フェアに向き合え。手を動かせ。金を稼げ。画一的な基準を持つな。複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ。あらゆることにトキメキながら、あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ。明日と明後日で考える基準を変え続けろ」 各章に膨大な注のついた本著には、落合氏の日本人としての歴史認識の重要性と日本を愛する心が見えてきます。