大妻多摩中学高等学校

【校長室より】自立自存・寛容と共生・地球感覚

初日の出
本校から見える初日の出

あけましておめでとうございます。
みなさまにとりまして2018年が素晴らしい年になりますようお祈り申し上げます。

校長 谷林 眞理子


 

大妻多摩中高の2018年の教育目標は、昨年に引き続き「自分を活かす・未来を紡ぐ・世界を照らす」です。生徒のみなさんには社会に貢献することを自らの喜びと感じることができるように育ってほしいと思います。大妻多摩中高では創立者大妻コタカの建学の精神を基礎として、次の3項目を実践していきたいと考えています。

 

1 「自立自存」

 「自立自存」とは自分で独立して自分の力で生きるという意味の大妻コタカの言葉です。コタカは勉強して教師になると、女性が手に職をつけて経済的に自立するために裁縫学校を作りました。これが大妻学院のもとになったのです。コタカの思いは、自分が学んだらそのスキルを他者にも伝えたい、生徒を教えることで女性が自立してほしい、教育によって社会に貢献したいということでした。

 2020年からの文科省新学習指導要領の実施を目指して、大規模な教育改革が行われつつありますが、今問われているのは「主体的・対話的で深い学び」です。自らの力で問題を発見し、問題解決できる能力や論理的思考力を身につけること、そして互いの学び合いによってさらに深い学びにつなげることが重要になってきます。

よく言われる「面倒見のよい教育」、「きめ細かい指導」は必ずしも生徒にプラスになるとはいえません。また能動的学修(アクティブ・ラーニング)を授業に取り入れるといっても、先生がおぜん立てをして指導案に沿って生徒にディスカッションさせるだけではアクティブ・ラーニングとはいいません。生徒同士の学び合いを通じて問題発見し、さらに問題解決まで導かれたとき深い学びができたと言えます。 教員は生徒に知識を教えるだけでなく、生徒の力を引き出して自立を促す強力なサポーターです。生徒の自立と成長のために教員は努力を惜しみません。

大妻多摩では、一昨年完成した図書室アカデメイア棟を利用する調べ学習や卒研(中学)・探究(高校)などの論文作成、体育祭・文化祭・合唱祭という大妻多摩の三大行事の生徒による主体的な計画と運営、キャリア教育やプログラム学習の主体的参加をさらに進めたいと思います。

2018年度大妻多摩の教育目標①

 


2 寛容と共生 

 大妻多摩中高は日本人としての礼儀とマナーを重んじる女子校です。大妻コタカの教えのとおり、中学に入学するとまず「ごきげんよう」の挨拶とお辞儀や立ち居振る舞いなどをきちんと学びます。世の中がどんなにグローバル化しても、日本人としてのアイデンティティを確立したうえで、他者に対する思いやりの心を持ち、社会に貢献することを自分の喜びと感じることができる精神を養うことが大切です。 大妻多摩では「ひな祭り」などの四季折々の行事を大切にし、茶道のお稽古やマナー講座を通じて、日本人の心を体験します。さらに中学3年の広島・倉敷への修学旅行によって世界平和の大切さを学び、高校2年の奈良・京都への修学旅行によって日本の歴史と祈りの心について学びを深めます。これらの学びによって寛容と共生の精神をはぐくみ、環境問題から平和問題に至るまで、多摩中高から地域社会へ、さらに日本から世界へ視野を広げることのできる人材の育成を目指しています。

 


3 地球感覚

地球

 2020年にセンター入試に代わって新しい大学入試制度が導入されることになりました。社会はグローバル化が進み、AIが人間に取って代わられる時代です。私たち大人がだれも経験したことのない予測困難な時代がやってきます。そこで大妻多摩では昨年度から6年プロジェクトと称して「人間関係スキル・キャリアプロジェクト」「英語・国際教育プロジェクト」という二つのプロジェクトをスタートさせました。「人間関係スキル・キャリアプロジェクト」は人と人とのコミュニケーションを深め日本人としての基盤をもち、優れた職業人となるための人間教育を行うものです。「英語・国際教育プロジェクト」は、グローバル社会に羽ばたくための段階を追った英語コミュニケーション力・異文化理解力・英語発信力の育成です。このように大妻多摩では日本人としてのアイデンティティを理解し、グローバル・コミュニケーション能力と国際的視野を持ち、地球規模の活躍をするための基礎を養います。さらに本学では英語コミュニケーションスキルの指導を強化するとともに海外研修・海外留学プログラム・異文化理解プログラムを充実させます。

 

 

2018年度大妻多摩教育目標④

 さて2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会まで残すところあと2年になりました。世界は1964年の東京オリンピックのときとは比べものがないほどグローバル化し、日本においても情報技術の発達はAIを生み出すとともに、経済・産業界・教育界を中心に価値観が大きく変化しつつあることが感じられます。

 教育の分野では2020年に大学センター入試が廃止されるとともに、新しい大学入試制度が導入されます。これに伴い、幼稚園から大学に至るまでの日本の教育が根本から見直されると同時に、互いの連携が重視されるようになりました。

さらに12年を経た2030年には、日本では少子高齢化が進み、65歳以上の割合は総人口の3割に達し、生産年齢人口は総人口の約半分にまで減少するといわれています。文科省では子どもたちにとって豊かで暮らしやすい未来を約束すべく2030年の社会と子どもたちの未来」について論点整理をしています。

2030年をSDGs(持続可能な開発目標)の目標年と定めました。17の目標と169のターゲットから成るSDGsは、地球上のすべての人々が健康な暮らしができることを不可欠な要件にしており、先進国における安全で快適な暮らしを次世代にまで継承するための政治や経済の取組みも含めて、「(世界中の人々が)共同の旅に乗り出すにあたり、誰も置き去りにしない」社会の実現を目指しています。

 

私どもは大妻多摩中高の6年間という共同の旅において、生徒の誰一人を取り残すことなく、生徒それぞれが「自立自存」「寛容と共生」「地球感覚」の精神で成長することを願っています。