大妻多摩中学高等学校

【校長室より】メトロポリタン・ミュージアム

メトロポリタン・ミュージアム

メトロポリタン美術館のことを書いていてふと思い出した曲があります。「天使の像」とか「ヴァイオリン」「トランペット」などの単語があったことしか覚えていないので、ネットで調べてみたところ、1984年4月から5月にかけて、NHKの「みんなの歌」で放送された「メトロポリタン・ミュージアム」という曲であることがわかりました。作詞作曲はシンガーソングライターの大貫妙子さん。わたしはまさに1984年に聞いたというより、その後なにかのときにこの歌を知ったのだと思います。

この曲は作詞の大貫さんが「ナポリタン」という語から連想して出来た歌詞ということですが、カニグズバーグの『クローディアの秘密』をモチーフとして使ったこともわかりました。版権の関係上、歌詞を全部載せることはできませんが「大理石の台の上で、天使の像ささやいた」「夜になるとここは冷える」「ヴァイオリンのケース、トランペットのケース、トランク代わりにして、出発だ!」というフレーズが続くので、これはまさしく『クローディアの秘密』です。

メトロポリタンミュージアム①

インターネットにはこの歌は「怖いトラウマソング」と分類されており、この曲を聴いたこどもたちが、ニューヨークの「メトロポリタン美術館」を知らないまでも、大理石の台座の上の「天使の像」やエジプトの「ファラオの墓」の展示してある大きな美術館を思い浮かべて、曲を聴いただけで怖くなるとか。荷物をもってタイムトラベルすると「大きな絵の中にとじこめられる」という最後の部分に不安を掻き立てられるのもうなずけます。それにしても、今回改めてYouTubeでこの曲を聞いてみると、ミイラや「ドガの踊り子の絵」が描かれた動画と楽しそうなメロディが流れたかと思うと短調が混じり、リフレインが耳について離れなくなりました。

クローディアの秘密②

そこで再び『クローディアの秘密』に戻ってみると、このストーリーは、ちょっと家出を試してみたかったこどもたちの冒険、あるいは謎解き小旅行という以上の不思議な魅力があるのではという感じがしてきました。挿絵でもわかるようにクローディアたちはキルティングを着て美術館に行くのですから季節はおそらく秋から冬、そんな時期に裸になって噴水で水浴びするなんて信じられません。冬のニューヨークは極寒ですから、大貫さんの歌詞のとおり、夜になって暖房が切れたらとても冷えるのです。日本語訳にしたときにタイトルが『クローディアの秘密』になったのでクローディアが主役かと思いきや(確かに彼女の出番が多いのは確かなのですが)、本当は原題のように「フランクワイラー夫人の遺言のファイル」の話なのです。こんなことを考えながら、この本をもう一度ていねいに読んでみようと思いました。