大妻多摩中学高等学校

【校長室より】豊かな地球の存続のために

SDGs、持続可能な開発目標――豊かな地球の存続のために

豊かな地球の存続のために①

みなさんは今から13年後の2030年はどのような社会になっていると思いますか。グローバル社会はわたしたちの社会に多様性をもたらし、急速な情報化や技術革新がわたしたちの生活に大きな影響を与えていることでしょう。文科省は2030年を目標として、社会変化に応じた教育改革が必要だと考えています。この予測不可能な社会では、個人個人が長期的目標をもって人生を生きる覚悟が必要です。

「今日の努力で明日はどのようにも変わる」、これは大妻コタカ先生が信条として自分に言い聞かせてきた言葉だといいます。これからの努力が将来のみなさんの道を切り開いてくれるのです。

目を世界に転じてみると、この2030年こそ、国連が「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals、SDGs)を定めた年なのです。「持続可能な社会」とは、地球温暖化を回避して、自然環境を守りながら、世界中の人々が生活の質を向上させられる社会、言い換えると、地球上の限りある自然を循環させながら人々の要求を満たすことができる社会をいいます。2030年には、世界の人口は今の73億人から85億人に増加することに伴って、世界のエネルギー需要は130億トンから164億トン、穀物需要は25億トンから27億トンへと増加します。しかし2030年には、今から25年前と比べて極度の貧困の中で暮らす人は激減して子供の死亡率も半減するということですが、世界の人口の8割が貧困に苦しみ、毎年600万人近い子供が5歳になる前に死亡するという現状がどれほど改善されるのでしょうか。そこで国連は極度の貧困や予防できる母子の死亡を2030年までにゼロにしようというSDGsを採択しました。

国連が2030年までに目標としているのは、世界の貧困層をゼロにし、乳幼児死亡率を下げ、若者の識字率を100%にするほか、安全な飲料水を得られない人と栄養不良人口をゼロにし、エイズを根絶することです。

この採択を実現させるために大きな役割を果たしているのが、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツと妻のメリンダ・ゲイツの設立した「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」です。フォーブス誌の「最もパワフルな女性100人」にたびたび選ばれているメリンダ・ゲイツは夫とともに財団の共同会長をしており、世界中の女性と女の子の可能性を開くための支援をしています。彼女は両親に自分がなりたい人になりなさい、女の子だからといって自分の夢をあきらめることがないようにと教えられ、コンピュータサイエンスと経営学の学位を取得、マイクロソフト社のソフトウェア部門で働いたのちビルと結婚しました。彼女は女性支援の中でも、彼女は特に女子教育に力を入れ、女の子が男の子と同じように学校に通えれば、経済的にも安定すると訴えています。メリンダは少女たちが正しい保健衛生知識を持てば、健康な生活を保ち、貧困から抜け出すことができると考えています。彼女は2030年を待たずに2020年には、数千万人の女の子が正しい家族計画を行えるように、そして世界の女性と女の子に対する投資をさらに増すように、アジア諸国の政界・財界関係者に働きかけをしています。

SDGsとは、企業の社会貢献活動に加えて、企業が動くことによって社会の様々な課題を解決しようという試みです。そのためにわたしたちは高い人権意識を持ち、長期的展望を持つことが必要です。アメリカではオバマ政権が気候変動の問題に積極的に取り組んでいたのに対し、トランプ政権は温暖化対策よりも国内経済を優先するべきだという政策に切り替えました。この政策は、温暖化を抑えて持続可能な地球を取り戻そうという地球規模の連帯を覆すものです。グローバル社会では他者への思いやり、調和と共生、寛容がキーワードですが、経済的、社会的、技術的進歩とともに地球を破壊から守ることがわたしたち人間の使命になるのです。