大妻多摩中学高等学校

【校長室より】高校三年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます

卒業生のみなさん②

桜の開花も待ち遠しい本日は暖かな春の陽気になり、卒業式にはふさわしい日和となりました。高校三年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。保護者のみなさま、お嬢様方のご卒業を心よりお祝い申し上げます。

女性が男性と同等に教育を受けて社会に参加し、経済的に自立出来るようにと実技実学の裁縫学校を作ったのは大妻コタカでした。それから100年以上の月日がたち、昨年2016年は国内外で女性の活躍が目覚ましい年でした。日本では小池都知事が誕生し、築地の豊洲移転問題を再検討することに加えて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催成功へと始動したり、都政の改革に積極的に取り組み、新聞やテレビに彼女の登場しない日はないほど注目されています。

イギリスではキャメロン首相の後任にEU離脱派のテリーザ・メイ内相が首相に就任しました。サッチャー首相以来、二人目の女性首相の誕生になります。イギリスではスコットランド政府首相、北アイルランド自治政府首相が女性であり、君主であるエリザベス女王以下、女性がリーダーシップを発揮することになりました。アメリカでは、民主党から出馬した初の女性大統領候補ヒラリー・クリントンが大統領に就任すれば、G7のうち英独を含めて3か国の首脳が女性になるはずでした。ただし女性リーダーが誕生すると、その手腕よりもファッションや言動が取り上げられるのは、女性ならではの宿命なのでしょう。彼女たちは控えめすぎると「女性だから」と言われ、出すぎると「女性のくせに」と言われてしまいます。

イエール大学ロー・スクールを卒業したヒラリーは、ビル・クリントンと出会って結婚、1993年から8年間アメリカ合衆国のファーストレディーとなりました。彼女は大統領夫人として活躍するだけでなく、『村中みんなで』(原題Takes a Village)という本を著し、子供は村、コミュニティ全体で育てるべきだと、子供を中心とした政策課題は大いに評価されました。2009年にオバマ大統領が就任すると国務長官として活躍し、一貫して民主党ではリベラルな立場をとり、女性層や都市部の非白人層から支持を得ていました。そして昨年の大統領選挙ではヒラリー勝利という大方の推測に反して敗北し、アメリカ初の女性大統領実現はなりませんでしたが、女性の活躍という点において、彼女の功績は大きいといえるでしょう。しかし実は、女性の地位が高いと思われているアメリカでも、女性大統領は映画の中でしか誕生していませんし、議会レベルでも女性の参画は遅れているのです。

ではアメリカでヒラリーの跡を継ぐ女性はだれでしょうか。大統領選敗北を認めたとき、彼女は次世代を担う少女たちに次のように呼びかけ、このスピーチは歴史に残る素晴らしいものとなりました。「わたしたちは最も高く最も硬いガラスの天井をまだ壊すことはできませんでした。でもいつの日か、私たちが思っているよりも早く誰かが成し遂げてくれるでしょう。いまこのスピーチの映像を見ている小さな少女たちに言いたいのです。あなたには価値があり力を持っていて、あなた自身の夢を追い求め、実現できるチャンスを持っていることを決して疑わないでほしいのです。」

わたしはこの最後の言葉をみなさんにも送りたいと思います。「あなたには価値と力があるのだから、夢を追い求めそれを実現できるチャンスは必ずあることを疑ってはいけません」、と。
Never doubt that you are valuable and powerful and deserving of every chance and opportunity in the world to pursue and achieve your own dream.

大妻コタカは、「常に夢や目的を持って情熱を捨てないように」と言っています。国も時代も違いますが、コタカもヒラリーもみなさんのような若い女性たちに絶大な期待を寄せていることに変わりはありません。

わたしもみなさんの将来に期待しております。みなさんも大妻多摩の卒業生であることを誇りにして、社会に羽ばたいていただきたいと思います。ご卒業おめでとうございます。