大妻多摩中学高等学校

【校長室より】ブルーリボンの意味

ブルーリボンの意味

ブルーリボン①

2月26日、第89回アカデミー賞は、作品賞の発表ミスというハプニングがありましたが、トランプ政権反対を強烈に打ち出した記念すべき授賞式になりました。発表会場であるロサンゼルスのドルビーシアターのレッドカーペットに登場した映画俳優たちの多くが「ブルーリボン」を胸につけていましたが、このリボンは何を意味するのでしょうか。

「ブルーリボン」とは「アメリカ自由人権協会」(American Civil Liberties Union, ACLU)のシンボルとされるリボンです。このACLUは社会事業家であり平和運動家でもあるジェーン・アダムズによって1920年に設立された、言論の自由を守ることを目的とした非営利団体。シカゴの貧民地区にハルハウスという地域福祉センターを設立したアダムズは、ソーシャルワークやセツルメントの先駆者といわれ、1931年にはノーベル平和賞を受賞しています。ホームページによれば、“The ACLU will always be on the side of fairness, equality, freedom, and justice – for all” と書いてあります。つまり「ACLUはすべての人のための公正さ、平等、自由と正義を守るために活動している」ということです。

今回の受賞式は、イスラム圏の人々の入国禁止やアメリカの難民・移民を排斥しようというトランプ大統領に対して“No”を突きつけ、彼らの権利を守るべきだという主張がなされるだろうということは予測されました。映画スターがつけたリボンと受賞作品にも反トランプ色が明白でした。本命とされたミュージカル・ラブストーリー『ラ・ラ・ランド』(La La Land)が作品賞を逃し、マイアミの貧民街に住む黒人少年の成長を描いた『ムーンライト』(Moonlight)が作品賞を受賞したほか、マハーシャラ・アリが助演男優賞を受賞しました。黒人劇作家オーガスト・ウィルソンの戯曲を映画化した『フェンス』(Fences)ではヴァイオラ・デーヴィスが助演女優賞を受賞。『ラビング-愛という名前のふたり』(Loving)は、黒人と白人の結婚が禁じられていた1950年代のバージニア州を舞台に、実在するラビング夫妻の話を元にして制作された作品であり、妻を演じたルース・ネッガが主演女優賞にノミネートされました。この三人の俳優はいずれも黒人です。また、外国語映画賞を受賞したイラン映画『セールスマン』では、反トランプを表明しているアスガ-・ファルハディ監督が受賞式を欠席。大半の受賞者が白人だった昨年とは打って変わり、トランプ大統領の「白人アメリカ人ファーストおよび難民・移民政策」のおかげ(!)で、カラフルな結果となりました。

アメリカで様々な主義主張を表わすときには、様々な色のリボンが使われます。オレンジは児童虐待防止ネットワーク、グリーンは移植医療普及、ピンクは乳癌の早期発見・早期診断・早期治療、赤はエイズで命を落とした仲間への追悼、白は開発途上国における妊産婦保護、黄色は戦場での安全への願いなど、リボン運動は様々な種類があります。日本におけるブルーリボンは「北朝鮮による拉致被害者の生存と救出を信じて」という意味があります。