大妻多摩中学高等学校

【校長室より】自分を活かす・未来を紡ぐ・世界を照らす

 

自分を活かす・未来を紡ぐ・世界を照らす

体育祭

体育祭

鏡と糸紡ぎ

鏡と糸紡ぎ

本校から見える初日の出

本校から見える初日の出

生徒のみなさん、そして保護者のみなさま、明けましておめでとうございます。
2017年がみなさまにとりまして素晴らしい年になりますよう、心からお祈り申し上げます。

校長 谷林 眞理子

 

大妻多摩中高の教育方針である創立者大妻コタカの建学の精神は変わりません。

 

コタカ先生の肖像画

校章

本学の校章

故郷広島の母校の代用教員となった大妻コタカが、さらに勉強したいと上京したのは18歳の明治35年(1902年)のことでした。「しっかり勉強して偉い人になりなさい」という母の教えを守ったコタカは、女子に学問は不要だという兄や親戚の言葉を振り切って上京しました。明治30年代は日本の女子教育の先駆者たちが各地で学校を設立した時代でしたが、総じて女性の地位は低く、現在のように誰もが教育を受けられるわけではありませんでした。

得意だった和裁に加えて洋裁の技術も学んだコタカが自宅を開放して私塾を開設したのは明治41年、コタカが24歳の時でした。母親の望みどおりに自立した立派な教師になったコタカは、かつての自分のように、勉強したいと思っている女性たちに自分が学んだことを教えたいと思うようなったのです。コタカが大切にしたのは自分の力を活かして自立するという「自立自存」の精神でした。

 大妻多摩中学高等学校の校章は、大妻家の家紋である円に糸巻きのデザインです。結婚して大妻姓になったコタカ(旧姓熊田)ですが、和洋裁や手芸の学校を創立したコタカにぴったりの家紋と言えるでしょう。円には円満・和合、そして鏡(鑑)の意味があり、糸巻きは女性の特性を表す手仕事による技芸の意味があると同時に、知識を紡ぎ、学力を磨くという卓越した女性の能力を表現しています。このように、コタカの女子教育の基礎には、技芸の習得が人間形成、ひいては女性の経済的自立につながるという「実技実学」がありました。

コタカ先生は生徒たちに向けて、状況に応じた振る舞いをしなさいという「らしくあれ」とともに「匂いやかなれ」とおっしゃっています。この言葉は、女性はそこに一人でいるだけで、一輪の花のように周囲の空気を和やかに、朗らかに、賑やかにするようにありたいという意味です。このようなコタカの教えが底流に流れている、本校の教育方針のもとでしっかり学んだみなさんは、社会人として活躍するときでも、母親になって子どもを育てるときでも、みんなの中心で光り輝き周囲を照らす存在になるでしょう。

 

コタカの建学の精神は現代のグローバル社会・ポストグローバル社会でどのように生かされるでしょうか。

コタカが学院を創立してから100年以上の年月が経過した21世紀の今日、情報通信技術や交通手段の発達により国と国の境界がなくなるグローバル社会に突入し、急速な技術革新と情報化は私たちの毎日の生活に大きな変化をもたらしています。人々はソーシャルメディアを最大限に利用するようになりましたが、ネットワークを構築出来る人とそうでない人の間には格差が生じます。多くの研究者が予見するように、人間に代わってAI(人工知能)が活躍すると、現在ある職業の多くが新しい職業に取って代わられます。しかし一方で、インターネット社会が飽和状態に陥ったポストグローバル社会では、効率と速さばかりに追い立てられた人間は、バーチャルよりもリアルな人間関係を求めるようになるといいます。ここで必要となってくるのが、相手の気持ちを思いやり、互いの信頼の上に立つ、人と人とのコミュニケーションとグローバル社会で活躍するための英語コミュニケーション能力です。

 

大妻多摩中高の来年度の重点強化ポイントは「人間関係スキル・キャリア教育プロジェクト」と「英語・国際関係プロジェクト」のふたつです。

 

写真G

大妻多摩中学高等学校では新年にあたり、「人間関係スキル・キャリア教育プロジェクト」「英語・国際関係プロジェクト」をさらに強化します。大妻多摩中高は礼儀とマナーを重んじる伝統の女子教育を基盤とし、学力のさらなる向上を目指すことは変わりません。難関大学進学を目指す女子中高一貫校の使命もこれまでと同じです。加えて予測困難な未来社会の中でしっかりと自立し、活躍できる人材の育成には「人間関係スキル・キャリア教育プロジェクト」による人間教育と、「英語・国際関係プロジェクト」による英語活用能力と国際理解能力が必要であると考えます。これらの教育はこれまでも行ってきたことですが、それをさらに強化し、充実させていこうというわけです。

みなさんが活躍するグローバル社会では、家族や学校、地域コミュニティを超えて、世界中の人たちとコミュニケーションをとるようになります。ここで必要になるのが、異なる価値観をもった人に対してはっきりと自分の意見を伝えることが出来る能力です。かつて、子どもたちは同居する祖父母や地域社会の大人たちに守られて育ち、社会の慣習やルールを意識せずとも経験し学んできましたが、現代ではこれらのルールなどを体験学習職業体験などを通して学ぶ必要があるのです。このようなことは今までも本校で行ってきたことですが、中高6年間を通して、将来社会で求められる総合的なコミュニケーション力をさらに体系的に習得するだけでなく、同時に養われる「思考力・判断力・表現力」がみなさんの力になると信じています。

 

 グローバル社会では、異なる言語を話し文化的な背景も異なる人の主張を理解して納得できる、また、反対意見を持っている人を説得して互いに妥協点を見つけることができるといった異文化理解能力が重要になります。現代社会では、話さなくても理解し合えるとか空気を読むといった日本語的コミュニケーションの妙に加えて英語によるコミュニケーションが当たり前になるでしょう。言い換えると、共通語である英語を通じて、話さなくてはわかりあえない、結論を最初に述べるなど日本語と異なる英語特有の言語習慣を学ばなくてはなりません。来る2020年の大学入試改革では、英語4技能のうちリスニングとスピーキング力が従来よりも重視され、内容をまとめて発表するなどのプレゼン力も試されます。また様々な大学で外部の英語検定試験の結果を利用することがわかっており、2020年を待たずに、英語検定試験を利用する大学は年々増えてきています。そこで本校でも英語検定試験の指導を授業にも取り入れるとともに、中学一年からネイティブの先生によるスピーキングの授業を強化し、学内でも英語が飛び交う環境を作りたいと思っています。

 

大学卒業後の「広い世界と明るい未来」を目指して、大妻多摩中高はさらに進化します。