大妻多摩中学高等学校

【校長室より】日常五心

「私がします」という奉仕の心

日常五心

私は10月1日から4日まで中学3年生の修学旅行に同行して、広島、倉敷、岡山、姫路をまわってきました。中3の生徒にとっては中1の林間学校以来の集団生活です。みんなクラスの友達と一緒にとても楽しい時を過ごしたようです。旅行のことはこの際省きますが、今回はこの旅行の話題と結びつけて、前にも書きましたが、コタカ先生の生家の一室にかけてある色紙のことば「日常五心」について再確認しましょう。

「はい」という素直な心
「すみません」という反省の心
「おかげさまで」という謙虚な心
「私がします」という奉仕の心
「ありがとうございます」という感謝の心

まず、「はい」という素直な心ですが、みなさんは先生方からお話があったときに「はい」と声を揃えて言っていますが、ちゃんと心の底から言っていますか? また同級生から間違いを指摘されて反論したり、お母様から注意されて口答えしていませんか?同級生だからといって、ぞんざいな口の利き方をしてよいはずがありません。「親しき仲にも礼儀あり」といいます。家族だからこそ礼を尽くさなくてはなりません。両親やきょうだいに対してわがまま放題の人がいたら今日から改めましょう。

次は「すみません」という反省の心です。これも同じく、明らかな間違いを指摘されたときに、過ちを認めて素直に「すみません」「ごめんなさい」と謝ることができますか?

「おかげさまで」という謙虚な心ですが、みなさんはあまり「おかげさまで」という言葉を口にしないと思います。でも、すべてのことが誰かのおかげで成り立っているということを認識していますか? 旅行中、ようやくホテルに到着すると食事とお風呂が待っています。疲れていてもまずホテルの方たちにあいさつをし、部屋のスリッパをきちんと並べ、お風呂に入った後は髪の毛が落ちていないかきれいにすることは大妻多摩の生徒なら当然のことです。今回の旅行でも、旅行委員さんが見回ってくれたおかげで、どのクラスもきちんと行動することができました。この旅行を成功させるためにいろいろな方たちが関わっていると言うことも忘れてはいけません。添乗員の方たち、ホテルの方たち、ガイドさん、看護師さん、そして当たり前だと思っているかもしれませんが、先生方とご両親など、生徒のみなさんが楽しく過ごせるのも誰かのおかげなのです。

「わたしがします」という奉仕の心は、誰かがしてくれるから私はしなくていいではなく、他人がする前に(言われなくても)自分から率先して役を引き受ける気持ちのことです。

そして最後の「ありがとうございます」という感謝の言葉、この言葉が大切なのはみなさんわかっていますね。

自分たちの楽しみにはいろいろな人たちのおかげの上に成り立っていることをいつも頭の片隅に置いておいてください。言い換えると、「自分のことだけでなく、日頃から他の人に対しての心配りができているか」ということなのです。学校の中でも外でも、コタカ先生の「日常五心」は生きているのです。毎日の生活でも気心の知れた同級生だけで盛り上がって楽しいのはわかりますが、みんながこれから生活する社会では、同い年の人だけでなく、いままで話をしたこともない大人たちと出会います。そういうときにどのように振る舞ったらよいか、日頃から準備ができていますか?

先日の文化祭の最終日、後夜祭が行われて多摩体のステージではいろいろなショーが次々と行われていました。わたしは用事があったので、終わる少し前に出たときに、階段の飾り付けをはずして、しゃがみ込んで汚れたところを雑巾で拭いている二人の生徒を見かけました。「後夜祭を見ないの」と聞くと、「私たち高3ですから」と言って、もくもくと後片付けをしていました。わたしも急いでいたので名前も聞きませんでしたが、たぶん高3の文化委員なのでしょう、後輩のために、後輩が楽しんでいるときに掃除をしておこうという二人の気持ちにとても打たれ、とてもすがすがしい気持ちになりました。みなさんも高校3年生になったら、あるいは社会に出ても、人がする前に先んじて嫌なことを引き受ける、「私がします」とあえて言わなくても行動できるようになると素晴らしいと思いました。