大妻多摩中学高等学校

【校長室より】Because I am a Girl

Because I am a Girl : 10月11日は国連「国際ガールズ・デー」

中高棟グラウンドのミカン①
中高棟グラウンドのミカン

「国際ガールズ・デー(International Day of the Girl Child)」は世界の女の子の権利を守るために2012年10月11日に国連総会が定めた日であり、日本でも国連広報センターと国際NGO「プラン・インターナショナル」が中心となって活動をしています。

Because I am a Girl(女の子だから) の後にはどのような言葉が続くと思いますか?「プラン・インターナショナル・ジャパン」のHPには次のように書いてあります。

女の子だから、10代で結婚させられる。
女の子だから、学校に行かせてもらえない。
女の子だから、生まれてさえこられないこともある。
笑いたいときに笑うことも、怒りたいときに怒ることもできない。

もしも、この文章が間違っているように感じたら、

この世界の間違いを、まずは知ってください。

Because I am a Girl (女の子だから)
そのあとに来る言葉は、私たちの力で変えられる未来です。

世界中の6000万人以上の女子が貧困ゆえに、または差別によって初等教育を受けることができず、1500万人の女子が18歳になる前に結婚させられ、3分の1の女子(女性)がなんらかの肉体的・精神的暴力を受けているという現実。「国際ガールズ・デー」は、「男子に比べて未就学率が高く、10代前半で強制的な結婚や貧困に苦しんでいる世界の女の子を力づけようと」始まりました。
今年も「女の子の権利」や「女の子のエンパワーメント」を呼びかけ、世界各地で女の子が中心となってさまざまなイベントが行われています。エンパワーメントとは、「女性が人生におけるあらゆる選択肢を自分の意思で選びとって生きていくために必要な力、男性と対等に家庭内や社会の意思決定に参画する力をつけること」(HPより)です。

「プラン・インターナショナル・ジャパン」は寄付を募り、2014年17歳でノーベル平和賞を受賞したマララさんの受賞までの歩みを描いた映画『わたしはマララ』を上映するほか、世界規模でさまざまなプロジェクトを実施しています。これらの寄付の使い道として次のようなものがあります。それは「学びを支える灯りになるソーラーランプ」、「衛生的な暮らしを支えるガールズキット」、そして「女の子の家計を支える家畜一頭」などです。このガールズキットの中には女の子が衛生的に生活する習慣ができるようにと下着や生理用品、石鹸、タオル、着替えの服などがはいっています。暴力イコール男らしさと考えられる中部アフリカのルワンダでは、多くの女の子が男子または男性からの暴力の被害にあい学校でも安心して授業が続けられない、電灯がなく夜間に勉強ができないという状況にあるといいます。また生理のときも安心して学校生活が送れない、貧困のために教育費が払えないなど、多くの女の子が就学をあきらめざるをえない状況にあるといいます。またアフガニスタンやパキスタンの一部では女子の就学を禁じ、労働力となる子どもを産むために早婚を奨励する地域もあるといいます。女子が教育を受けることによって知識を身につければ経済的自立を果たすことができ、社会貢献できるとは考えもしません。

大妻学院の5中高(大妻、大妻多摩、大妻中野、大妻嵐山、函館大妻)の生徒会は「大妻会NORTH」を組織していますが、今年の夏に函館大妻を会場校として「女子教育」をテーマに集会を開きました。そこでは世界の女子の置かれた状況と教育について意見交換し、将来に対する展望をまとめました。それは発展途上国に女子校を作ろうというプロジェクトです。その手始めに女子教育についての講演会を催したり、スピーチコンテストをするなどの案が出されましたが、その中に裁縫学校から大妻学院を創立なさった大妻コタカ先生の建学の精神を受け継いで、「巾着袋を作り、生理用品や下着を入れて発展途上国の女の子に届ける」というプロジェクトが提案されました。「大妻会」のプロジェクトはまだ始まったばかりで実現には時間がかかると思いますが、代々の生徒たちが思いを引き継ぎなんらかの成果を上げることができたら素晴らしいと思いました。

現代の日本では女の子の差別などまったくないとお考えでしょうか。私たちは寄付などを開発途上国に届ける側だけなのでしょうか。実は女性の立場についての遅れを指摘する記事を最近新聞で読みました。それは被災地の避難場所における女性の側からの声です。トイレは男女兼用。夜間は電気のないトイレに行かざるを得ず、一人で行くには危険。そのトイレも簡易のものであって非衛生的。着替えをするにも女性のプライバシーが守られない。生理用品が不足し、たとえ支給されていたにしてももらいに行くには気が引けるし、始末に苦労する。そして被災地ではやはり女性はハラスメントの対象となるというのです。現実の社会においても同じことが言えます。男女同一賃金が守られなかったり、妊娠・出産によって解雇を言い渡され裁判に持ち込んだなどというケースを聞きます。男女共同参画社会といいながら女性の権利は未だ完全には守られていません。女性が肩身の狭い思いをしないで子育てをし仕事ができる環境の整備こそ、今の日本に必要なのではないでしょうか。そういう意味でも国際ガールズデーに、世界に目を向けると同時に日本の女性の立場の改善についてももう一度考えることが重要だと思います。